マネタリーベースとシニョレッジ

先日の国庫納付金にマネタリーベースと名目成長率を追加したグラフをつくる。
2001-2009年まで名目ではほとんど成長していない。日銀の金融緩和が足りずデフレから脱却出来なかったと考え、現在のデフレも金融政策によるデフレ脱却を主張するのがリフレ派である。
つまりリフレ派は日銀の更なる金融緩和によってマネタリーベースを増やせと主張する。
一方で反リフレ派の反論は大きく分けて以下のふたつである。
ひとつは、日銀がマネタリーベースを増やしてもマネーサプライは増えないから金融政策は効果がない。
もうひとつは、日銀のこれ以上の緩和はハイパーインフレになる。


まず当たり前の話ではあるが、マネタリーベースの伸び率と国庫納付金は相関する。



反リフレ派の前者の主張の通りマネタリーベースを増やしても効果がないとすれば、マネタリーベースを増加によって国庫納付金が増加した分で赤字公債を発行をしなくとも財政出動GDPギャップを埋めることができる。

また、これ以上のマネタリーベースの拡大がハイパーインフレになるのであれば、マネタリーベースを引き締めればインフレ抑制も可能だ。高橋洋一氏の主張する通り、20%のインフレになるには必ず5%や10%のインフレ率を通る。5%になれば引き締めればいいのである。(マネタリーベースを拡大すればハイパーインフレになるが、マネタリーベースを引き締めても効果がないと主張する人はいないだろう)

いずれにしても名目金利が0である以上は期待インフレ率がプラスにならなければ実質金利は高止まりする。
市場と日銀が対話することが一番重要だ。