2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日本銀行のバランスシートとCPI

岩田規久男教授はエコノミスト2002.5.28号において以下のように書いている。 第3は、過去のデフレ不況からの脱出の経験や、現在の法人企業の資金余剰の状況に照らして、デフレからの脱出のために貸出の増加は不可欠の条件ではないという点である。アメリカ…

続々・岩本康志氏による「日本銀行のトリレンマ」

コメントありがとうございます。 改めてお答えしたいと思います。 1) 債務超過と単年度赤字は違いますね。 日銀は債務超過を避ける行動をとっていることを反証するには,「日銀はよく債務超過になる」という証拠を出すべきでしょう。 また,昨日のブログで…

続・岩本康志氏による「日本銀行のトリレンマ」

岩本康志氏から反論をいただいた。 「日銀による財政政策だ!それは財政法違反だと各所で批判する岩本康志氏」って誰のこと? 私は,憲法に抵触すると言ってますが。日銀は限定された範囲で独立性を持つ。それを超えて独立性を発揮する問題が憲法83条に関…

岩本康志氏による「日本銀行のトリレンマ」

岩本氏はtwiiterにて (デフォルトは起こらないとして)国債は満期まで保有すれば,リスクはない。中途売却すると,そのときの市場価格によるリスクがある。これは,重要なポイント。 長めの国債を大量に買うと,ゼロ金利を解除するときに中央銀行のバランス…

中央銀行の独立度とインフレ率

アレシナ教授とサマーズ教授は1993年の「Central Bank Independence and Macroeconomic Performance: Some Comparative Evidence 」論文にて、中央銀行の独立度とインフレ率の関係を示している。 ただし、日本銀行は法改正される前である。 平均インフレ率が…

スウェーデン銀行のバランスシートとCPIの追記

先日のスウェーデンの例では9月から乖離しているように見えるというご指摘をいただいた。 引用した物価上昇率はエネルギー価格や食料価格を含んでいる。 そこで商品価格等の指標であるThomson Reuters/Jefferies CRB Indexを見てみよう。 なるほど、確かにご…

スウェーデン銀行のバランスシートとCPI

高橋洋一先生がtwitterにて 誰かスウェーデンのベースマネーと物価の図を書かないか?結論からいうとラグ付きにすると、誰の目にも明らかでかなりきれいな関係があることがわかるよ http://twitter.com/#!/YoichiTakahashi/status/29206602770812929と言って…

与謝野馨氏の「日銀の利下げの経済に対する効果は全くない」

片岡剛士氏の『日本の「失われた20年」』では、当時、与謝野経済財政担当大臣がリーマンショック後の閣議後の 日銀の利下げの経済に対する効果は全くないという発言を取り上げている。では、その閣議後の発言を内閣府の議事録から振り返ってみよう。 (問)…

山崎養世氏の日銀が泥をかぶればいい

山崎養世氏は週刊朝日の1月21日の以下のように述べている。 国債市場の規模は株式市場の約3倍です。暴落すれば、国内のみならず世界の金融・経済がクラッシュしかねない。「ジャパン・ショック」です。しかし、日本は大きな氷山が目前に見えていながら、見…

経済の開放度とインフレ

OECDの2008年のデータより輸出と輸入額の合計の対GDP比である。日本はアメリカと並び極めて低い。 グローバル化進んだことによって、安い輸入品が入ってきてたためにデフレになったという人がいる。 彼らは、なぜ経済の開放度が低い日本がデフレ、アメリカは…

円高とデフレのカップリング

新年の朝まで生テレビでは信用乗数が下がるだけだから、ベースマネーを増やしてもマネーサプライは増えない、物価は上がらないと叫んでいる出演者がいた。 そういったベースマネーとマネーサプライデカップリング理論を唱える人達は国際金融のトリレンマをど…

歴代日銀総裁の打率

高橋洋一教授が日銀総裁の打率に言及していた。 定義としては物価安定の理解の通り総合CPIが0-2%である。 ただし、これまでも指摘してきた通りこの数字と総合CPIの使用については適切とは考えていないが、ここでは日銀の理論通りとして使う。 また、金融政策…

池尾和人氏の告白

このブログでは池尾和人氏のおかしな主張を取り上げてきた。 しかし、池尾和人氏はtwitterで以下のとおり述べている。 よほどの古典以外は、2000年以前に書かれたマクロ経済学の論文は、時代遅れだと思った方がよい。Monetary Economicsは、00年前後に「新し…

ロバート・フェルドマン氏による白川は速水・福井以下

チームポリシーウォッチでロバートフェルドマン氏の指摘は興味深い (http://policywatch.jp/topics/102)日銀は速水・福井総裁時代の量的緩和ではベースマネーを対GDPで約9%伸ばした しかし、白川総裁はここ2年でわずか2%、10月に発表した基金でも5兆円…

資源エネルギー庁によるデータの恣意的な引用

言うまでもなく、政策を立案するときにデータは最新のものを利用しなければならないし、現状を把握にするにも最新データが必要なのは当然である。 しかし、経済産業省資源エネルギー庁の出す、エネルギー白書2010では最新データを恣意的に引用していない。 …