ロバート・フェルドマン氏による白川は速水・福井以下

チームポリシーウォッチでロバートフェルドマン氏の指摘は興味深い
(http://policywatch.jp/topics/102)

日銀は速水・福井総裁時代の量的緩和ではベースマネーを対GDPで約9%伸ばした
しかし、白川総裁はここ2年でわずか2%、10月に発表した基金でも5兆円とわずか1%にしかならない。
つまり来年までにわずか3%の伸びにしかない。


フェルドマン氏はこれを

今日のデフレ状況が以前より悪いことを考えると、到底足りないと言わざるを得ないであろう。

と評している。

続いて

さらに、重要なポイントとして、実質金利の概念の欠如が懸念される。
日銀は実質ゼロ金利と言っているが、事実上名目ゼロ金利でしかないのである。
実質金利とは"名目金利−インフレ率"であるが、今はインフレ率がマイナスであるため、金利水準がゼロだとしても、実質金利は15年ぶりの高水準になっているのだ。
景気、インフレ期待が上がるように、日銀・政府は、本当の実質金利の概念を理解して政策に反映させるべきである。

日銀は名目金利しか考えずに、期待インフレ率を考慮した実質金利で考えないという指摘である。
これはまさにQE2との大きな違いである。

過去に示したとおり、QE2では名目金利こそ上昇しているものの、期待インフレ率がそれを上回り上昇することによって、実質金利が下がっている。


中央銀行は期待インフレ率を操作できないと反論する人達がいるが、マーケットと対話し期待インフレ率をコントロールするためのツールがインフレターゲット政策である。
ターゲットを下回っているときには金融緩和をし、上回っているときには金融引き締めをすると宣言することによって、マーケットが予想するのである。

少なくとも過去の量的緩和に匹敵する程度、対GDP比で10%、つまり残り7%の約35兆円の量的緩和は必要である。