2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ソロスチャートから見る量的緩和と信用緩和政策の違い

日経CNBCの後藤 浩祐氏の「ソロス・チャートが問う「通貨の番人」日銀の円高対応」(http://blog.nikkei-cnbc.co.jp/anchor/?p=1001)は衝撃的だった。マネタリーベースが為替に影響することは知っていたが、信用緩和政策の下でここまで相関が高いとは思わなか…

水野和夫氏の経済感

内閣府審議官に水野和夫氏が起用されることになった。 今年の1月17日のサンデープロジェクトで 「短期的には需給ギャップ35兆あるからやらなきゃいけないというのもわかるが、それは90年代からずっと需給ギャップが拡大してて、その結果国の借金が92,93年…

デフレのミステリー

Deflation Defies Expectations—and Solutions、デフレ期待マインドと解決法という記事をJON HILSENRATH がWSJで書いている。(http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704249004575384944103200032.html?mod=rss_economy)要約すると記事では大恐慌と…

徳川吉宗のリフレ政策

日経ヴェリタスの2010年7月18日号に「デフレ・税収減…江戸も悩んだ 現代に通じる財政再建のヒントを探る」という記事がある。まず日本史をおさらいする。 ・8大将軍吉宗は1716年から「享保の改革」を行う。 ・改革以前の幕府は米価が値下がりして年貢高が減…

加藤寛による政府紙幣を発行せよ

PHPのVOICE8月号で小泉氏や竹中氏のブレーンとして知られる加藤寛教授が民営化と政府紙幣について述べている。ここでは分割民営化を提言しているが、財源が足りなくなるではないかという反論に対して 「政府紙幣を発行せよ」と書いている。 白川総裁が「いま…

日本のGDPギャップはどこか

クルーグマンのを参考に日本のGDPギャップを考えてみた。(http://krugman.blogs.nytimes.com/2010/07/23/europes-gap/) クルーグマンの主張を受け入れると実質GDPの成長率=潜在成長率が重要だということだろう。 ただ名目で考えると円建てである以上為替で…

月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料から見る日本経済

月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料から見る。(http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei-s/1007.pdf) 今日ここで取り上げたいポイントは二つである。なぜ消費者物価指数が下がり続けているのに日本銀行は新しい金融政策のオプションを取らないのかやは…

FedのBOJ化?

Fed Watch: Bernanke Post Mortem Tim Duy looks at the Fed's likely course of action (http://economistsview.typepad.com/economistsview/2010/07/fed-watch-bernanke-post-mortem.html)Economist's ViewでFedウォッチャーのTim Duy氏のポストが載ってい…

ギャグノンによるFedがすべきこと。

元々はEconomist's Viewで紹介されていたTime for a Monetary BoostよりFRBがすべきこと。 (http://www.huffingtonpost.com/joseph-e-gagnon/time-for-a-monetary-boost_b_654944.html) 【追記】hicksianさんによる素晴らしい全訳があります。 http://d.hate…

暗黙のインフレターゲットを捨ててしまったFRB

バーナンキが議会で証言した。 先日のIn fed we trustでもあったようにFEBは約2%の暗黙のインフレターゲットがあると長年言われてきた。 しかし、バーナンキの証言によるとそうではなかった。(http://www.federalreserve.gov/newsevents/testimony/bernanke2…

IMFによる日銀がすべきこと。

なぜか消費税増税をIMFが勧告と大々的にマスコミが報じている。しかし、同時に日銀にも注文を着けているのだが、全く報じられていない。 そこでここで紹介する。(http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/2010/cr10211.pdf)Additional easing. Building on…

BEIからみる期待インフレ率

ブレークイーブンインフレ率は10年の物価連動債と10年の金利固定の国債の差である。 厳密にはリスクプレミアムや需給バランスなどがあるが、市場が合理的裁定があるとするとこのBEIは10年間の期待インフレ率といえる。日本とアメリカのBEIを見てみる。【日本…

原田泰氏の日本経済「完全復活」への道

voice8月号で原田泰氏が金融緩和による日本経済の復活を主張している。要点は・2007年を起点として中央銀行のマネタリーベースの拡大を各国で見ると、アメリカは2.5倍、EUが1.6倍、イギリスが3.6倍、中国が1.6倍、韓国が1.4倍に増やしているに対し、日本は1.…

credit easingの由来

In fed We trustでは何故"qualitative easing(質的緩和政策)"ではなく、"credit easing(信用緩和政策)"を使ったか書いてある。そもそもは"continue to bypass the banking system and lend directly in markets"という意味で Washは"qualitative easing"…

日本銀行、天下りの真実

平成22年5月17日決算行政監視委員会第一分科会(http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/004117420100517001.htm)宮崎岳志衆院議員の質問である。日本銀行はコールレートをゼロ金利=0.002%程度の以前の金利ではなく、現在は0.1%にしてい…

mondustrial policy

日銀の新貸出制度はまさにmondustrial policyではないだろうかモンダストリアル政策とはテイラーが産業政策と金融政策が同時の中央銀行による産業政策のことである。 Q: How will purchases under the agency MBS program be financed?A: Purchases will be …

In Fed we trustのインフレターゲット

「In Fed We trust 邦題:バーナンキは正しかったか? FRBの真相」ではバーナンキとインフレターゲットについての記述がある。 インフレターゲットを批判する人の中には、「インタゲを唱えていたバーナンキでもFRBの議長になったらインタゲを導入しないじゃ…

リーマンショックがなければ平成20年度は基礎的財政収支は黒字化していた。

結論からいうと平成18年は国地方を合わせるとプライマリーバランスはわずか0.7兆円の赤字だった。 対GDP0.14%である。財務省に国と地方の基礎的財政収支がこっそりと載っている。(http://www.mof.go.jp/zaisei/con_06_g03.html) ちなみにこの画像は引用する…

政官財とマスコミが消費税増税キャンペーンをする理由

・財界の目的は法人税の引き下げ(経団連等) ・政治家へ企業献金やパーティー券購入を通じだロビー活動 ⇒『日本は財政破綻の危機』『増税すれば景気が良くなる』・霞が関へ天下り先を斡旋、霞が関の権限拡大 ⇒『諸外国と比べ日本の法人税は高い、消費税は低…

竹中平蔵 VS 山崎養世 ニッポン戦略会議

民主党大敗、みんなの党躍進の後、テレビ東京にてニッポン戦略会議という討論番組があった。 山崎養世 消費税を20%に上げたところで財政赤字はなくならない。財政赤字の問題を消費税だけにも絞っているからいつまでもだめ。 大きなポイントは財政赤字は国債…

消費税の現在価値

コンソル債の計算をして思ったのが、年金の積立不足を負債として考えると、消費税を同時に資産側へ計上すべきである。国には一般企業と違い、徴税権がある。予算総則では消費税は社会保障にあてるとなっている。(http://www.bb.mof.go.jp/server/2009/xml/20…

民主党の高速道路無料化はピークロードプライシングに逆行する

混雑しているときには料金を高く取り混雑を緩和し、空いている時には料金を安くして平準化しようということである。飛行機は既に朝早く比較的空きの多い便は料金が割安で、混雑する昼間の便は割高となっている。高速道路でも現在は一部導入されており、夜間…

ギリシャは島を売却したので純債務

先日の土居丈朗氏の純債務で見るか、粗債務で見るかという定義を使えばギリシャは国有資産である島を売ったので純債務でみるべきと結論づけることができる。ドイツの議員からギリシャは島を売れと言われていたが本当にギリシャは売却することとなった(http:/…

土居丈朗氏の国際暴落の“ウソ”

土居丈朗氏は6月29日号の週刊エコノミストで以下のように書いている。 粗債務と純債務の違いをどのように理解すればよいだろうか。それは、政府債務の返済財源を何に求めるかに依存する。もし、政府債務をすべて将来の租税等の収入によって賄い、政府が保…

日本がギリシャ危機のようにハイパーインフレになるとすれば…

池尾和人氏などはインフレターゲット政策をとると、長期金利がギリシャのように発散する可能性があるとして導入に反対している。 しかし、そもそもギリシャ危機の発端はギリシャの財政赤字を隠すための粉飾ではなかったのだろうか。 ギリシャの財政赤字をマ…

出口戦略?日本はまだ入口にも入っていない。

日経新聞のエコノミクストレンド若田部昌澄早大教授が『大恐慌再来 防ぎ切ったか』と書いている。FRBの非伝統的政策を分析した「大脱出?」論文も引用している。 また量的緩和政策を効果があったと結論づけた、関西大学の本多佑三教授も引用している。 大恐…

総理大臣と政権与党の幹事長が新卒採用4割カットを自慢できることだろうか

新報道2001にて菅総理大臣 私たちも公務員の総人件費2割カットということで、現実に国の出先機関の新規採用は8割カット。全体でも4割くらい新規は抑えて、そういうことに具体的にスタートした。 サンデーフロントラインにて枝野幹事長 ただ私たちは政権をい…

共産党による「We are not Greece」

サンデーフロントラインにて9党首討論があった。菅総理の 雇用と社会保障をちゃんとすること、そのためには財政破綻をするとそれが崩れる。ギリシャの現実は年金がカットされ、雇用がカットされる。そうならないためにどうしましょうかという相談がしたい。…

We’re Not Greece

クルーグマンがWe’re Not Greeceを書いている。 (http://www.nytimes.com/2010/05/14/opinion/14krugman.html) 気になったポイントは5/14には Greece, on the other hand, is caught in a trap. During the good years, when capital was flooding in, Greek…

日本銀行の為替損と外貨準備の含み損

アメリカは基軸通貨国の特権がある。ドル建て債である限りいくらでもドルをすることによって返済できる。(もちろんインフレも伴なうが)そう考えたときにインフレ税によってドル保有者からアメリカ政府への所得移転が起こっている。 日本のケースを考えると…