BEIからみる期待インフレ率

ブレークイーブンインフレ率は10年の物価連動債と10年の金利固定の国債の差である。
厳密にはリスクプレミアムや需給バランスなどがあるが、市場が合理的裁定があるとするとこのBEIは10年間の期待インフレ率といえる。

日本とアメリカのBEIを見てみる。

【日本】

アメリカ】




日米共に緊縮財政と中銀の出口戦略へ動き始めている中で期待インフレ率が低下していることが分かる。

特に日本の場合はデフレから脱却できていない。このまま出口戦略をとれば10年間マイナス1%のインフレという事になる。
またアメリカもバーナンキさんとクルーグマンに呼ばれるだけあってか急激に低下し足下では1.7%と暗黙のインフレターゲットである2%を割りこんでいる。


おそらく物価連動債の市場は薄いんだ、だからリーマンショック後のボラティリティが高いからBEIは期待インフレ率なんかじゃないという反論する人がいるだろう。(過去討論中にある経済学者から直接言われた。)

しかし、物価連動債の市場が薄いから市場は合理的でないという説明は当てはまらない。裁定機会があるのだろうか、それならばどうして市場が合理的でないと主張する人はフリーランチを得ないのだろうか
またボラティリティが高いという事は市場はパニックで未だに安定を取り戻してないということだろうか。それならばやはり中央銀行は積極的に市場安定化策を打つべきだろう。