2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

サンデーフロントライン 竹中平蔵VS大塚耕平

中川秀直先生のブログ(http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entrylist.html)でも触れられているが、発端は政府が衆議委で郵政改革法案をわずか6時間の審議で強行採決したことにある。なおかつ、大塚耕平副大臣が委員会で経営シミュレーションを提出しろという…

バーナンキの量的緩和論

バーナンキは日本銀行で講演で量的緩和政策にも触れている。pdf版P7(http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/bernanke20100525a.pdf) "The issue of the fiscal-monetary distinction may also arise in the case of the nonconventional policy k…

バーナンキの中央銀行の独立性と日本銀行=関東軍論

バーナンキが先日、日銀で講演をした。そこでのスピーチを紹介する。 なお全文はFedのホームページで公開されている。(http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/bernanke20100525a.htm) 日本語で読みたい人はtwitterで有志が訳して下さった者をnigh…

過去20年の政権の経済政策

ニュース探究ラジオDigの後半で飯田泰之駒沢大学准教授と片岡剛士三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の駆け足だが過去20年の政権の経済政策を分析していた。1982-87 中曽根内閣 (飯田泰之駒沢大学准教授) ・大型間接税、売上税、消費税と続く…

一人当たりGDP

ニュース探究ラジオDig(http://www.tbsradio.jp/dig/index.html)に飯田泰之駒沢大学准教授と片岡剛士三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員が出演していた。 前半は主に一人当たりGDPで日本は高くなくOECDで下位であること。 小泉竹中改革では生産…

GDPギャップと財政出動

マンデルフレミングの法則からすると乗数効果は低いことが予想される。 政府支出の増加による財政赤字の拡大に伴ないGDPギャップは縮小しているのだろうか。財政出動からGDPギャップに影響するラグを1年とした。 2007年を0として財政赤字対GDP比の前年かの増…

GDPギャップからみるインフレターゲット

IMFのWorld Economic Outlook Database, April 2010から先進国のインフレターゲット採用国と非採用国のGDPギャップを比較する。 フランス、ドイツ、イタリアの中央銀行はECBであり、非採用国はECB,BOJ,FRBの3つの中銀である。 結論からいうと、インフレター…

経済の開放度と経済成長率

日本はグローバル化が遅れている。閉鎖的だ。FTAを結ぶべきだと意見がある。 OECDから日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスに加え、韓国とスウエーデンを選び、冷戦崩壊後の経済の開放度をみる。断トツに低いのは日本とアメリカでGDPに対する輸出入額…

マネタリーベースとシニョレッジ

先日の国庫納付金にマネタリーベースと名目成長率を追加したグラフをつくる。 2001-2009年まで名目ではほとんど成長していない。日銀の金融緩和が足りずデフレから脱却出来なかったと考え、現在のデフレも金融政策によるデフレ脱却を主張するのがリフレ派で…

インフレだって増税

インフレは通貨の価値が減価することによって、税金を取られている。ではいくらとられているのか、日本銀行のホームページから財務諸表のうち決算書をから国庫納付金をみる。おおかまに言ってインフレ税に該当する分はシニョレッジといわれる国庫納付金であ…

日本の貯蓄率神話の崩壊か

一部では、日本の家計の貯蓄率が高いことを理由に財政赤字のファイナンスができる。 また一方では、貯蓄率の低下を理由に財政危機を唱えている人がいる。 日米の貯蓄率をOECDのデータで比較すると、日本は右肩下がりであり2009年に日米逆転している。 日本は…

なぜ成長は必要か

まとめたもの一人当たりGDP成長率について ・一人当たりGDPは生活に直結し重要。ドルベースで低下すると生活水準は下がる。 ・経済全体が縮小または、停滞していくと国内のパイを奪いあうことになり、誰かの収入が増えると、誰かの収入が減る。 日本全体のGD…

イギリスとユーロ

今回のギリシャ危機でユーロが不安定化している。一部では「イギリスがユーロを導入しなくてよかった」という意見があるが本当だろうか。リーマンショック前の2008年7月1日から2010年5月19日までに対円での為替レートをみてみる。 ほとんどの期間でユーロと…

00-09年に日本を牽引したのは

2000年(平成12年)の建設公債と赤字公債を合わせた残高は約360兆円、2009年末(平成21年)の公債残高(見込)は約630兆円ある。債務残高は10年間で約270兆円増えた。ESRIの2000(平成12)暦年連鎖価格GDP需要項目別時系列表から実質季節調整系列(寄…

暫定税率は一般財源化すべき

民主党が参院選のマニフェストでガソリン税を含む暫定税率の廃止を見送り環境税に衣替えすると決めた。http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100517/stt1005171845003-n1.htm環境税にするならばガソリン税は炭素税となる。これは高速道路無料化とも…

IMFより国税庁?

白石さゆり慶大教授がフジテレビの新報道2001でギリシャは汚職が多く税の捕捉率が悪いと言っていた。 Lars P. Feld and Friedrich Schneiderの"SURVEY ON THE SHADOW ECONOMY AND UNDECLARED EARNINGS IN OECD COUNTRIES"の研究ではOECD諸国の影のGDP、つ…

資産価格はテイラールールにいれるべきではない

白川日銀総裁はワシントンで 短期的な物価の安定に釘付けになると、究極の目的である経済の持続的成長を困難にする可能性すらある」、「物価安定の達成に成功したことによって、中央銀行は金融政策運営に対する民間部門の信認を獲得するようになり、経済の不…

現代ビジネスlive 勝間和代×高橋洋一「ギリシャ危機と日本経済」

現代ビジネスlive 勝間和代×高橋洋一「ギリシャ危機と日本経済」から高橋洋一氏の発言の要点をまとめる。なお録画されており、いつでもみることはできる。http://www.ustream.tv/recorded/6875414 ・ギリシャはデフォルト率や条件変更が特筆して高い。1800年…

名目金利1.3%は低いのか

10年最長期国債利回りは約1.3%である。マーケットがつけるブレークイーブンインフレ率(BEI)を期待インフレ率とするとマイナス0.5%である。(日本相互証券より引用) これをフィッシャー方程式にあてはめる。名目利子率 = 実質利子率 + 期待インフレ率で…

子ども手当は少子化対策?

子供一人当たり月2万6千円、総額5.8兆円は本当に社会が子供を育てることになるだろうか。少子化社会白書からhttp://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/index-w.html都道府県別の合計特殊出生率を、国民経済計算http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/toukei.h…

リーマンショック前の日本の財政は?

リーマンショックがあり、景気対策として財政出動した。ではリーマンショック前の基礎的財政収支(プライマリーバランス)はどうなったのか見てみる。06年に骨太の方針を閣議決定し2011年度のプライマリーバランスの黒字化を掲げていた。 小泉政権とそれ以降…

ECBの質的緩和

ECBは各国の中銀が国債を買い取る非伝統的金融政策を不胎化すると発表した。 FRBの信用緩和政策は格付の低い資産を買い取ると同時に非不胎化し、中銀のバランスシートも拡大した。 BOJの量的緩和は質は変えずにバランスシートを大きくした。今回のECBの措置…

静かなるキャピタルフライト?

竹中平蔵氏が5月9日のサンデーフロントラインで 日本の財政危機を家計は感じ始めていて外貨資産、外貨運用が増えている。これは静かなる資本逃避、キャピタルフライトと解釈できる と述べていた。キャピタルフライトとは円からの資本逃避である。 日本銀行…

ゼロ金利制約のない世界

日本銀行とFRBは政策金利であるコールレートが0.1である。これは事実上のゼロ金利であり、下げる余地がなくゼロ金利制約と言われる。また、様々な意見があると思うが適切な政策金利はマイナス4%と推計される。 これは本来はマイナス4%の政策金利が適切で…

白川日銀総裁の過ち

白川方明日本銀行総裁はきさらぎ会における講演にて以下の通り述べている。 わが国の物価についてお話します。昨年以降、わが国の消費者物価は、石油製品価格の変動を主因に、大きく振れる展開を辿りました。生鮮食品を除いた消費者物価の前年比上昇率は、昨…

財務省は税収の弾性値を低く推計しているのではないか

財務省が今年の2月に発表した「平成22年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h22/sy2202a.htmを読んだ。 疑問に感じたのは[算出要領]の項目の税収の弾性値である。弾性値が1.1と非常に低く抑えられている。 [経済成長…

実質成長率2%は不可能か

名目で2%、実質で2%の成長は実現可能なのか、今回は政治家の観点から実質利子率に焦点を当ててみる。財政タカ派で知られ消費税増税が不可欠と主張する与謝野氏は近著「民主党が日本経済を破壊する」(文春新書)でこう述べている。 名目成長率を分解すれ…

名目4%成長で増税なしの財政再建は可能か

高橋洋一氏は名目4%は成長の黄金率で増税なしの財政再建は可能だとしている。 財政再建には大き分けて二つの方法がある。 1プライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化して借金を減らして行く方法 2債務残高対GDP比を下げて行く方法 高橋氏は名目成…

日本の財政は本当に危機なのか

日本の対GDP比債務残高は2010年度末には200%を超えるとも言われている。 EUに加盟するための条件は債務残高はGDP比で60%以下でないとなければならない。これを根拠に日本の債務残高は異常に高く財政危機に陥る、国債の入札が不調になる、国債が暴落すると…