白川日銀総裁の過ち

白川方明日本銀行総裁きさらぎ会における講演にて以下の通り述べている。

わが国の物価についてお話します。昨年以降、わが国の消費者物価は、石油製品価格の変動を主因に、大きく振れる展開を辿りました。生鮮食品を除いた消費者物価の前年比上昇率は、昨年夏にプラス2.4%まで上昇した後、一転して縮小傾向を辿り、本年3月からは前年比マイナスで推移しています。その後も、前年における石油製品価格高騰の反動などから前年比下落幅は拡大し、8月は過去最大の下落幅となるマイナス2.4%、9月もマイナス2.3%となりました。先行きですが、本年度後半には、消費者物価の前年比下落幅はやや大きく縮小するとみています。これは、前年の石油製品価格高騰の反動の影響が薄れてくることによるものです。その後は、基本的に、経済全体の需要と供給のバランスに影響される展開を想定しています。2010 年度以降は、景気の持ち直しとともに需給バランスが徐々に改善することから、物価の下落幅も引き続き縮小していくと考えています。ただし、出発点としての需要不足がかつてないほど大きく、先行きの景気回復のペースも緩やかなものになると込まれるため、物価の下落圧力はある程度長い期間に亘って残ると思われます。今回の需要の落ち込みは、永く経験してこなかったような大規模なものであったことから、米欧でも、物価上昇率が以前の水準に戻るにはかなり時間がかかるというのが標準的な見通しとなっています。

(http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2009/data/ko0911c.pdf)



では日本がデフレから脱却出来ないのは、原油価格の高騰が理由なのかG7で比較してみる。


まず初めにエネルギーと食料品を含んだ消費者物価指数でみる。


(OECD)


金融危機の発信源であるアメリカ、インフレターゲット採用国であるイギリス、カナダより日本のパフォーマンスは悪い。なお、フランス、イタリア、ドイツはユーロ採用国であり、ECBが中央銀行であり、独自の金融政策はない。
ほとんどの月で最下位に甘んじている。日本だけが物価上昇率が前月比で0.5%まで達していない。


では白川総裁の説明する通り、原油価格の高騰の反動なのだろうか。
食料品とエネルギーを除いた消費者物価指数を見てみる。

(OECD)


仮に、白川総裁の説明する通り日本がデフレから脱却出来ないのは原油価格の高騰反動だとすると、エネルギーと食料品を除いたコアコアCPIは高いはずである。
しかし、コアコアCPIでも0.5%に達することはできずG7と比較しても低位である。


つまり日本がデフレから脱却出来ないのは、中央銀行である日本銀行のパフォーマンスの悪さと考えるのは妥当でないか。