2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構への天下り

先日の財務書類を調べていて判明したいたのだが、ここに郵政利権、天下りがある。 民営化以前と以後の預け入れの預金はリスクが違うとして分けられている。 そして民営化前の預け入れ郵便貯金は現在は独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構が管理して…

小野理論は徴兵制?社会主義?

6月27日サンデーフロントラインにて小野氏は 労働者が今、働いていない人が働ける状態になると、国民所得でも現実の経済活動でも明らかに成長している。 と述べていた。これはもっともな意見であるが、実際にできるかどうかは疑問がある。介護産業は人手不足…

財務省が認める、日本郵政の暗黙の政府保証の証拠

先日指摘したとおり、財務省は平成20年度 国の財務書類(http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/fs/2010_01a.pdf) の中で、郵便貯金を国の負債として計上し、その根拠として「法人に対する政府の財政支援の制限に関する法律」を挙げている。現在は日本郵政は独…

財務省による粉飾

平成20年度 国の財務書類(http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/fs/2010.htm)が発表され、日本は債務超過ということになっている。しかし内容があまりにもひどいのでここに至急一部を取り上げる。なお日本経済新聞もこの財務省の発表を鵜呑みにして報道してお…

2002年の財務省の日本国債格付けの反論

平成14年4月30日に当時の黒田財務官は格付け会社3社(Moody’s、S&P、Fitch)に書簡を送って格下げに対して説明をお求めている。(http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/p140430.htm) 外国格付け会社宛意見書要旨 1.貴社による日本国債の格付けについては…

英国の財政再建

英国はBudget 2010で財政再建を打ち出した。(http://www.hm-treasury.gov.uk/d/junebudget_complete.pdf)この中で財政再建の割合が示されている。 By 2015-16,77 per cent of the total consolidation will be delivered through spending reductions. 歳出…

財政再建の黄金比率

1970年代以降のOECD諸国の財政再建の成功例と失敗例はAlberto Alesina & Roberto Perotti, 1996. "Fiscal Adjustments in OECD Countries: Composition and Macroeconomic Effects," など数多く研究されている。 財政再建の黄金比率は歳出削減と増税の割合も…

財政再建の弾力条項

政府は22日に財政運営戦略を閣議決定した。 (3)進ちょく状況の公表・検証等 当面の経済見通しや中長期の経済・財政の展望を踏まえつつ、毎年度の予算概算決定後遅滞なく、各種財政指標の最新の状況と、財政健全化目標の達成へ向けた進ちょく状況等を検…

国債価格の下落は国益

FTの記事をgooが翻訳をしている。FT(http://blogs.ft.com/martin-wolf-exchange/2010/06/13/does-japan-really-have-a-public-debt-problem/)goo(http://news.goo.ne.jp/article/ft/politics/ft-20100614-02.html) 記事では日銀総裁がインフレを起こせないな…

失った金利収入は累計331兆円?

かつて枝野幹事長も預金金利を上げろと主張した通り、民主党には金利を上げれば家計の預金が増えて良いことだという考え方があるようだ。一方でかつて08年の10月に大塚耕平氏も朝まで生テレビで日銀のゼロ金利で家計が金利収入を失ったと主張していた。…

第三の道の財源

NHKのBizスポで菅氏のブレーンでもある小野善康氏が第三の道について述べていたので一部を紹介する 実は民間はお金を全然失わない。それで第三の道を菅さんは自信を持って言っている。例えば100万円とるわけではなくて、消費をしながら徐々に払っていく。そ…

Digラジオで非ケインズ効果について

Digラジオで消費税について議論していた。森信茂樹先生と飯田泰之先生が出演していたのでポイントをまとめてみる。 飯田泰之今のタイミングでの増税は問題。実は増税したら必ず景気が悪くなるわけではない。場合によっては将来の政策に対する財源がつくとい…

日銀の産業政策は政府への領空侵犯

日銀が成長基盤支援策を開始した。 成長基盤強化策の借り換えは3回まで、最長4年>日銀は成長基盤強化支援について、5月会合の骨子発表に続き、1)同措置の上限は3兆円、2)貸付期間は原則1年、3)借り換えは3回まで可能(最長4年)、4)新規貸し付けは四半期に1回…

消費税増税の前にすべきこと

菅総理は消費税を10%をひとつの参考値としたその前に昨年夏の民主党の公約を果たすべきである。 また、超党派で消費税増税を議論する前にすべきことである。それは、公務員人件費の2割カットである。国家公務員と地方公務員をあわせ公務員人件費は年間27兆…

第三の道とサーカス

先日の新報道2001で第三の道をサーカスに例えていてわかりやすかったので紹介する。※サーカスに例えると、社会保障という安全ネットのない綱渡りでは、国民はリストラなどに怯えるあまり前へ進めない。しかし、万全な雇用支援策など社会保障が十分に強化され…

PBの黒字化の景気の下押し圧力

菅総理は10年以内の基礎的財政収支(PB)の黒字化を目指すとした。財務省の手のひらにおち「菅落ち」とも揶揄されているが、10年で基礎的財政収支を黒字化するということは、緊縮財政である。09年度の基礎的財政収支の赤字は40.6兆円であり、対GDP比では約8%…

買い物は、世界を救う

本日の日経新聞の23面にJCBの広告で高橋是清の随想を引用している。 1929年11月、高橋是清かく語りき。 例へば茲に、一年五万円の生活をする余力のある人が、倹約して三万円を以って生活し、あと二万円は之れを貯蓄する事とすれば、其の人の個人経済…

不況の浄化作用

「新しいマクロ経済学」斎藤誠著でP258不況のメリットについて触れている。Aghion and Howitt, 1997, Endogwnous Growth Theory,の第八章を引用している。『「不況の浄化作用」(clwansing effects)は 第一に、不況期に低生産性の企業や事業が淘汰されて、経…

自民党谷垣総裁が語る財務大臣時代の溝口テイラー介入

自民党ネットサポーターズクラブ(http://www.j-nsc.jp/)で谷垣総裁が財務大臣時代の溝口テイラー介入について語っていた。 概要をまとめた。 私が財務大臣の時に、日本はデフレでいつ脱却出来るかなかなか見通しがつかなかった。しかし、円だけがどんどん円…

良い円高論に対する武者陵司氏の反論

先日の証券アナリスト協会講演より 円高になることによって、日本人の購買力が高まって、日本国の国力の増強に結びつくということで、前川さんからほとんどの人が円高に対応する体制をとった。円高を活用する、円高はいい事だという議論をしてきた。この議論…

大塚耕平副大臣の総務委員会における虚偽答弁の箇所

ようやく衆議院のホームページから議事録が公開されたので紹介する。 第174回国会 総務委員会第21号 平成22年5月28日(金曜日)(http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009417420100528021.htm) ○大塚副大臣 可能であれば、委員に一つ…

格差は小泉竹中構造改革のせいなのか

平成21年度版経済性白書のP227にはジニ係数からみた我が国の労働所得の傾向が書いてある。 第一に、我が国の労働所得で計算したジニ係数は87年以降、緩やかではあるものの一貫して上昇している。第二に、97年から2002年にかけての急激な上昇に比べると2002年…

なぜ90年を境にインフレからデフレになったのか

証券アナリスト協会の講演にて武者陵司氏が90年が日本にとって分水嶺で大きく構造が変わったと述べていた。 従来からある3点に合わせ、武者さんの持論である4番目を紹介していた。1.日銀主犯説 バブル潰しどころか過度な引き締めしたという説。一因として…

小泉総理大臣・竹中金融大臣・福井日銀総裁の時代

POSENの昨日紹介した論文では、日本の大不況(Great Recession)ではマクロ政策と金融政策(financial policy)の間違いの結果と述べている。 後にも述べられているが、バブル崩壊の過程は避けられなかったものの、処理を間違たということである。オールドケイジ…

日本銀行は遅くて臆病

BOEのアメリカ人の委員、アダムポーゼンがLSEでスピーチをした。(http://www.bankofengland.co.uk/publications/speeches/2010/speech434.pdf) 本来、中銀は他国の中銀についてコメントはしないのが暗黙のルールであるが今回はポーゼンは日本についてかなり…

財政赤字と財務大臣

Alberto AlesinaとRoberto Perottiの"BUDGET DIFICITS AND BUDGET INSTITUTIONS"1996では財政赤字と構造について様々な論文を紹介しながらOECD諸国とラテンアメリカを分析をしている。今日の財務省による財政赤字の宣伝が大々的行われる中で日本にもポイント…

インフレ・ターゲティング

『現代マクロ経済学講義』加藤涼著では、インフレ・ターゲティングとは「以下のような目的変数をもつ中銀が動学的最適化の1階の最適化条件に従って政策運営を行うという考え方」とある。以下の関数とはいわゆるテーラー型のルールである。「中銀の目的関数…

S字型生産関数

昨日のICTによる潜在成長率引き上げのポイントはS字型生産関数である。 中川秀直氏が中心となった上げ潮政策もITによる潜在成長率を掲げいるが中川氏の著書「上げ潮の時代」でもS字型生産関数が登場する。経団連のシンクタンク、21世紀研究所の資料からの…

ICTによる潜在成長率2.6%

総務省が原口ビジョンIIを発表した。(http://www.soumu.go.jp/main_content/000064871.pdf) ICTの活用により潜在成長率を2.6%に引き上げるという目標を掲げている。 ITの活用により日本の潜在成長率の上昇を目指した上げ潮政策とも似ている。資料によると現…

サンデーフロントライン 竹中平蔵VS大塚耕平 続き

反響が大きかったのでサンデーフロントラインの後半の部分、財投復活の可能性や民営化とは何かについて討論されているので公開する。なお昨日と同様に一字一句正確ではない。 ―――財投の復活では?大塚 そういう印象を与えている説明は注意しないといけない。…