ICTによる潜在成長率2.6%

総務省が原口ビジョンIIを発表した。(http://www.soumu.go.jp/main_content/000064871.pdf)
ICTの活用により潜在成長率を2.6%に引き上げるという目標を掲げている。


ITの活用により日本の潜在成長率の上昇を目指した上げ潮政策とも似ている。

資料によると現状は
・日本の民間ICT関連投資が民間設備投資全体に占める割合は約2割、米国においては約4割。
・日本のの全民間資本に占めるICT資本の割合は約4%、米国においては約9%と我が国の2倍以上。
となっており米国に比べるとICTの活用が遅れていることがわかる。

総務省の試算によるとICTの整備の名目GDPに対する効果は、金融業、サービス業、情報通信業にとどまらず製造業が8兆円の増加となっている。

経路としては、TFPの上昇と資本投入量の増加により2.6%に達すると試算されている。




なお、日本経済新聞の2008年12月5日の経済教室では、熊坂侑三氏が日本経団連シンクタンク二十一世紀政策研究所のプロジェクト、「経済成長の可能性に関する実証分析」の研究結果(http://www.21ppi.org/pdf/thesis/081006.pdf)を述べている。
研究では持続的な3-4%のマクロ成長は十分達成可能としている。

以上のように原口ビジョンも実証分析からみても目標として掲げるべきであろう。潜在成長率を引き上げ、パイを奪いあうのではなく拡大する政策に期待したい。