大塚耕平副大臣の総務委員会における虚偽答弁の箇所

ようやく衆議院のホームページから議事録が公開されたので紹介する。
第174回国会 総務委員会第21号 平成22年5月28日(金曜日)(http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009417420100528021.htm)


○大塚副大臣 可能であれば、委員に一つ御発言の訂正を願いたいんです。

 政府試算を変えるのかという御下問でございますが、午前中の質疑でも申し上げましたとおり、五年前の骨格経営試算はここにございますけれども、この骨格経営試算には何と書いてあるかというと、「政策意図や経営判断とは一切無関係であり、郵政民営化準備室として決定したものではない。」といって出されたんです。だれがつくったものかわからないんです。

 委員の今のお立場としての御発言はわかりますが、五年前に、私も郵政民営化特別委員会で長時間議論をさせていただいた立場として、一体これはだれのクレジットでお出しになったものですかということを聞いても、最後までお答えがなかった。したがって、政府の試算というものは存在しないということを御確認願いたいと思います。

○柿澤委員 後ほど、大塚副大臣の今回の試算について少し言及をさせていただきたいと思います。

 この試算があったかなかったかということについての御言及がありましたけれども、郵政民営化をした郵政のあり方を見直していくに当たって、これからの青写真を示さないままこの法案を通そうとしているということの説明にはならないように思います。そして、郵政事業というのは、この法案を通して業務の拡大、そして限度額の拡大を進めて郵貯に資金を集めていくということになれば、これは、うまくいかなければ先ほど言ったような破綻の道をたどり、うまくいった場合は民業圧迫になってしまう、こういう二つに一つのコースをとらざるを得ない、そういう道筋になるのではないかというふうに思います。

 もう一度お伺いします。今私が申し上げたことが政府の試算であるかどうかはわきに置いて……(発言する者あり)

(中略)


○大塚副大臣 柿澤委員は野党ではあられますけれども、去年御当選されて、今、みんなの党というお立場ですから、一番中立的に物をごらんいただけると思いますので、冷静にごらんいただきたいんです。

 さっき柿澤さんがおっしゃった、二〇〇五年の詠み人知らずの試算によれば、二〇〇九年度は日本郵政グループ全体で七千九百五十八億の税引き後利益が出るということになっていたんです。ところが、先週出た決算では四千五百二億。今の形のままだとむしろじり貧なので、そうならないように、将来、税金を投入したり、金融システムに影響を与えることのないように改革をさせていただくということですから、ぜひ認識をともにしていただければ幸いでございます。

○柿澤委員 そうならないように限度額を拡大して、預金を分捕っていくんですか。そういう話なんですか。これは、何度も申し上げているように、じり貧のシナリオを回避するとすれば民業圧迫にならざるを得ない、こういう話ではないかというふうに思うんです。

 大塚副大臣がおつくりになられた試算だと、民業圧迫になる影響は極めて小さい、こういう試算になっています。これも政府としての責任を持った試算ではありませんので、そんなに踏み込むつもりはありませんけれども、先ほど、七百万円から一千万円に限度額が拡大したときの影響の度合いについて大塚副大臣から、この質疑の中で御答弁がありました。郵貯が九・三%ふえて、銀行は一・四%と言っていましたか、そして信金が三・九とおっしゃっていたと思います。

 私も、公開資料をもとに資料をつくらせていただきましたが、この限度額の七百万から一千万の拡大を行った前後五年、各金融セクターの資金の増加率の変化を見ると、これはやはり限度額の拡大を境に顕著な変化が出てきていると言わざるを得ないのではないかと思います。この赤囲みをしたゆうちょ銀行、限度額拡大の前が三三%の伸びであったのが、限度額を拡大したら、五年間で六〇%。一方、銀行は、五年間で五二・三%が三〇・四%、信金は一四%が九・八%、こういうふうになっているわけです。

 今回、一千万から二千万円の限度額の拡大。どうなるかは予断を持って言えない、こういう御答弁でありました。そして、先ほど日経新聞を引かれて、この限度額が仮に拡大したとしても今の資金量を保つのがやっとではないか、こういうお話もされていましたが、この過去のケーススタディーを見る限り、まさに一千万から二千万円の限度額の拡大が民間金融機関の経営に大きな影響を及ぼすことは明らかではないのでしょうか。お尋ね申し上げます。

○大塚副大臣 まず、私の資料をごらんいただいて感謝を申し上げます。

 ただ、私の資料は、影響がないというふうに申し上げているわけではなくて、後半のところで委員がおっしゃっていただいたように、予断を持って影響は予測ができないということを申し上げているわけであります。

 したがって、例えば、過去一年間の伸び率で預貯金残高がふえていく場合には、郵貯が全くふえない場合には逆に銀行が四十三兆ふえるとか、信金が六兆ふえるとかというふうにしておりますが、過去五年間のトレンドと逆に郵政がふえることになった場合には、郵政が十・三兆ふえる場合には、確かに信用組合は一千億減るとか、客観的にお示しをしているだけであります。

 そして、大事なのは、私の資料の中にも書かせていただきましたが、先々、意見の違う方々にも御確認をいただけるデータに基づいて、客観的に条件を提示してケーススタディーをすることだと思っておりますので、私は、影響が大きいとも小さいとも申し上げません。だから、逆に、今委員がおっしゃったように、将来大きな影響が出ることは間違いないというふうに断定されるのも、余り根拠として明確なものがないということはぜひ御理解をください。

 その上で、確かに、私の資料も政府として正式なものではございませんが、少なくとも私の資料に関しては、お尋ねいただければ私がすべてお答えをいたしますが、先ほど引用された五年前の資料は、一体、この中身の真偽について、当時の与党のどなたに聞けばいいのかさっぱりわからないんですね。検証のしようがないんです。この問題の根深さは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

そしてこの日のうちに大塚耕平副大臣の虚偽答弁のまま強行採決されたのである。

大塚副大臣は『政府試算を変えるのかという御下問でございますが、午前中の質疑でも申し上げましたとおり、五年前の骨格経営試算はここにございますけれども、この骨格経営試算には何と書いてあるかというと、「政策意図や経営判断とは一切無関係であり、郵政民営化準備室として決定したものではない。」といって出されたんです。だれがつくったものかわからないんです。』

先日も指摘したが、表紙には「郵政民営化準備室」のクレジットが入っている。(http://www.yuseimineika.go.jp/yuushiki/dai18/18siryou.pdf)

これは明らかに虚偽答弁である。そして虚偽答弁のまま強行採決したのが真実である。

そして、大塚副大臣は『私の資料も政府として正式なものではございません』と発言している。
つまり今回の民主党政府は経営シミュレーションの資料を提出していない。

竹中平蔵氏がサンデーフロントラインで述べたことが事実である。