財政再建の弾力条項

政府は22日に財政運営戦略を閣議決定した。

(3)進ちょく状況の公表・検証等
当面の経済見通しや中長期の経済・財政の展望を踏まえつつ、毎年度の予算概算決定後遅滞なく、各種財政指標の最新の状況と、財政健全化目標の達成へ向けた進ちょく状況等を検証し、公表する。
なお、内外の経済の重大な危機その他の事情により財政健全化目標の達成又は財政運営の基本ルールの遵守が著しく困難と認められる場合には、財政健全化目標の達成時期等の変更や財政運営の基本ルールの一時的な停止等の適切な措置を講じるものとする。こうした措置を講じる場合は、措置を講じる理由、措置の内容・規模等を示した上で改めて閣議の決定を経るとともに、遅滞なく、財政健全化の経路へ復帰する道筋を示すものとする。

これが弾力条項と呼ばれるものである。当然のことではあると思うがこの条項がしっかりと入ったことは、橋本政権での財政構造改革法ではこの弾力条項がなかったために、アジア通貨危機山一證券の破綻など金融危機が起こり景気が急激に悪化したこともあり、財政健全化よりも景気対策が優先され、翌年弾力条項を追加し、小渕政権では財政構造改革法停止法が制定され財政再建は一時棚上げとなった。
小泉政権ではこの反省を踏まえ、弾力条項が2005年の骨太の方針に盛り込まれた。そしてリーマンショック以降ではこの弾力条項があり、大規模な景気対策が打たれた。


ぜひ菅内閣でもまず増税で景気が良くなるという考えを一刻も早く捨てて、経済成長による自然増収による財政再建を目指していただきたい。少なくとも07年ベースの経済に戻ることが財政再建の第一歩ではないだろうか。