第三の道とサーカス

先日の新報道2001第三の道をサーカスに例えていてわかりやすかったので紹介する。

※サーカスに例えると、社会保障という安全ネットのない綱渡りでは、国民はリストラなどに怯えるあまり前へ進めない。しかし、万全な雇用支援策など社会保障が十分に強化されると失敗しても大丈夫という安心感から国民はアクロバティックな技にもチャレンジできる。新しいサービスや商品を開発できるので大きな経済成長にもつながっていくというもの。

なおVTRに登場した第三の道についてのコメントは以下の通り


神野直彦
国民の生活を安心させてあげると新しい仕事や新しい産業に安心してチャレンジできて強い経済を作ることができる。


土居丈朗
わかりやすいメッセージではある。ただお金の使い道の工夫というのは言うは易く行なうは難し。医療、介護と名前がついていればどこでもいいからお金をつぎ込めばいいほどうまくはいくものではない。具体的にどういうお金の使い方をするのかきちんと国民に示さないと本当におっしゃっていることが実現するかどうかわからない。


白川浩道・クレディスイス証券
人口が減っていくことと、生産性を上げるのが大事だがどうやって上げるかというアイデアがない。どうしても日本経済は縮小方向に入っていて、また成長できるという発想そのものが限界にきている。


玄葉光一郎
成長戦略と財政健全化は一体であるという考え方。つまり成長戦略を実施すると並行して、あるいはギリギリの歳出削減と並行して消費税の議論もしっかりして制度設計をする。


綱渡りの例えを聞くと一見なるほどと思える。現在のセーフティネットはないとは言えないが、網の目が大きく、糸が細く、ところどころ穴が空いており不安に見えるのかもしれない。
しかし、よく考えると安全ネットはタダで簡単につけられるものではない。綱渡りする人の給料から、サーカスを見る人の観客料から賄われているのである。

もし、サーカス団がふたつやって来たとしよう。ひとつは頑丈な安全ネットがあるけども、アクロバティックで観客料が高い。もう一つは安全ネットがチープで技が地味だが観客料が安い。
どちらのサーカス団を見に行くかは好みによるだろう。
観客料が安く済んだ分で帰りにご飯を食べて帰れることもあるのである。

そういった意味で強制的に増税という形で政府が召し上げるというのはいかがなものか。
既に様々な方に指摘されている通り、政府が民間よりお金をうまく使うとは考えにくい。


最後に菅直人背理法を考える。
増税すれば景気がよくなる:乗数効果は11』ということは、税率を99%にしていくらでも税金をとり政府が使えば景気が良くなるのである。菅総理はピエロだろうか