現代ビジネスlive 勝間和代×高橋洋一「ギリシャ危機と日本経済」

現代ビジネスlive 勝間和代×高橋洋一ギリシャ危機と日本経済」から高橋洋一氏の発言の要点をまとめる。なお録画されており、いつでもみることはできる。http://www.ustream.tv/recorded/6875414



ギリシャはデフォルト率や条件変更が特筆して高い。1800年から200年のデータの中でデフォルト率や債務変更は50%、2年に一回。市場はユーロに加盟してから忘れていただけ。財政赤字の粉飾は外資を使って作為的。公務員が労働人口の1/4、日本は6%。公務員の給料も高く、民間の1.5倍。特殊法人ギリシャは80、GDPが10倍の日本でも100。資本主義でギリシャほど多いのは珍しい。社会主義みたい。


ギリシャは本当はユーロに入れてはいけない国。外した方が問題は簡単に解決できる。マンデルの最適通貨論は、ある程度同じ国だと同じ通貨でメリットがある。対外的なショックに為替は大きく動いた方がショックを小さくして経済を安定化させる。ショックで同じようにGDPが動く国なら同じ通貨にした方がいい。同じように動かない時は、モノ、人の動きが盛んだとショックが起きても補える。マンデルの最適通貨圏論だと誰が計算してもギリシャはユーロに入らない方がいい。他の国と動きが違う。マンデルの最適通貨圏論は、同じ通貨圏なら、日本の県でもアメリカの州でも財政規律を守らなければならない。一回間違えた政策をすると、それを取り直すためにはまた大きな失敗をする可能性もある。ユーロは出入り自由にした方がユーロの信認は上がる。


・政府の財政を家計に例える人がいるがおかしい。家計は貯蓄主体で負債は住宅ローンぐらい。政府と企業は資金調達主体。債権だけをみて、財政危機ということになると銀行も債務が大きいから危ないということになる。BSでみるべき。
債務残高が増え続けているのはストック経済なら過去最高は当たり前。資産も過去最高。


・日本は新規国債発行額が多くなるような会計操作をしている。国際基準でない。特別会計にいれるものを新規発行額に入れている。経済学的に言うと、債務残高が対GDP比で発散するのが破綻。PBのGDP比は赤字でもいいが、毎年減少すれば発散しない。名目成長率があがればすぐPBは回復する。名目は2〜3%では厳しい、黒字になるかどうかわからない。4%なら自然に回復する。名目が0%成長ではどんなに増税しても歳出カットしてもムダな努力で破綻する。


・名目4%になれば収束する。小泉内閣の時は名目成長はほとんどなかったが、リーマンショックがなければPB黒字化は達成できた。ギリシャは名目成長は低いとかいう話ではない。年金がひどい。年金の財政を見るときは出生率と現役世代の何割給付をかみる。出生率は高いと多くもらえる。ギリシャは日本より出生率が低い。年金は日本は現役世代の4割。ギリシャは現役世代のほぼ全額。半額にしないと財政破綻は間違いない。税金の補足もいい加減。


ギリシャ財政赤字を隠して、ユーロに裏口入学したんだから退学にすべき。ユーロはまだ歴史がなく、制度やペナルティが決まっていない。ギリシャをユーロから外せば、ギリシャは通貨安でデフレになるが、その後は独自の金融政策でかなりショックをやわらげることで調整はできる。ユーロはギリシャとは関係なくなり安定する。それかギリシャを3年ユーロから外して休学にすべき。


・日本も公務員と特殊法人が多いのがダメ。郵政民営化をひっくり返すとギリシャみたいになる。日本がもし破綻してもドイツは助けてくれずにIMFが来るだけ。ただし、200年で戦後くらしか破綻してないので、ほとんどデフォルトはない。海外はまだ日本はまだ金融政策を使っていないとみている。


インフレターゲットを導入してもハイパーインフレにはならない。3%に設定したとすると5%になったら金融政策を引き締める。20%になる前に、5%、10%と通ってから20%インフレになる。
日本人が日本国債の95%を買うのはホームカントリーバイアスで説明するのは難しい。趣味・奇行の世界。どうして日本人は日本人と結婚するのかという質問と一緒。
日本字が日本国債を持っているから破綻しないで大丈夫というのは関係ない。200年間のデータから統計的に見ると、自国民が持とうと、外国人が持とうとデフォルト率はイーブン。


・為替の水準が適切かと言えば、介入がない限りマーケットのつける値段が適切。為替政策は金融政策の相対。介入直接だが、金融緩和を間接的にやっても円安。景気変動が嫌ならば為替政策をやればいい。


・格付機関は無きに等しい会社。休債したのに格下げされた。格付け会社に言ったら後で謝りにきた。財務諸表などのデータなんかみちゃいない。