過去20年の政権の経済政策

ニュース探究ラジオDigの後半で飯田泰之駒沢大学准教授と片岡剛士三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の駆け足だが過去20年の政権の経済政策を分析していた。

1982-87 中曽根内閣
飯田泰之駒沢大学准教授)
・大型間接税、売上税、消費税と続く税制改革に失敗。
・この前の政権の大平内閣では増税を打ち出して負けていて、増税には及び腰だった。
・経済政策が上手くいかなかった理由はプラザ合意。日本にはアメリカの外圧をはねのける力がなかった。
・今に比べてはるかに地足がついてた経済だったが、それがなくなった。
(片岡剛士三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)
・日銀は金融を緩和していた。
プラザ合意円高はドラスティックに進んだが、金融緩和は1年半〜2年のラグがあった。

1987-89 竹下内閣
(飯田)
・日本経済最大の戦犯。
・金融政策は景気が良くなっていく中で、景気のいいところで日銀はお金を渡した。
・バブルを加速する日銀を政府も制御しなかった。
・「日銀理論」という景気のいい時にお金を渡して、景気の悪いときにお金を渡さなくて、日銀はわざと不安定化させている。
(片岡)
・政府も「ふるさと創生資金」などアクセルをふかしすぎた。お金を渡しても使い道はなくバブルを加速させた。
・当時から財政再建をすべきだった。

1989-91 海部内閣
(飯田)
・経済政策は目立ったものはない。
・課題は景気の過熱を叩くべきか潰すのか迷っているうちにバブルが崩壊した。
・日銀が独断でバブルを潰してしまった。バブル崩壊は人為的。

1991-93 宮沢内閣
(飯田)
公的資金の導入を試そうとしたが儲けていた弱者でない銀行、大企業、金融機関を救うのかという正義が勝ってしまった。日本の後の経済を間違えた。
・bailoutは連鎖倒産を防ぐために今では常識。
(片岡)
・宮沢さん自身は公的資金、bailoutの必要認識はあった。財界・大蔵省は避けたくて保身に走ったのが誤り。

1996-98 橋本内閣
(飯田)
アジア通貨危機でどんどん伸びてた外需が止まった。不運なところもある。
・もう1、2年消費税増税を待っていたらもうちょっと違っていたかも。
増税して景気が良くなるという経済モデルもあるが、常識で一般的ではない。経済モデルはたくさんあって、状況によって当てはまるものがある。増税して景気が良くなる事もあるということだけでは、今増税していいという理由にならない。
(片岡)
・消費税の増税は早すぎた。96年から緩やかに景気回復してきた。もうちょっと我慢してればよかった。

1998-00 小渕内閣
(飯田)
・財政をものすごく出したがそれほど効いていない。統計上、90年代後半で乗数効果は下がっている。
・日銀のゼロ金利政策の方がはるかに効いていた。財政より金融政策。
財政再建しなくていけないのは確かだが、消費税増税は簡単にできる方法を考えている。景気が悪化したら意味がない。

2001-06 森・小泉内閣
(飯田)
・生産性を上げることしか考えなかった。
(片岡)
・金融政策が足りなかった。政府が目標をグリップして、日銀にそれをやらせる必要。