土居丈朗氏の国際暴落の“ウソ”

土居丈朗氏は6月29日号の週刊エコノミストで以下のように書いている。


粗債務と純債務の違いをどのように理解すればよいだろうか。それは、政府債務の返済財源を何に求めるかに依存する。もし、政府債務をすべて将来の租税等の収入によって賄い、政府が保有する金融資産の売却収入を一切用いない方針ならば、政府債務は粗債務残高で把握するのが妥当である。
こうした状況では、純債務残高は無意味なものだ。なぜなら、計算上相殺する際に用いた金融資産は、政府債務の返済に用いるために保有しているわけではない。金融資産の売却収入を返済財源として当てにすることはできないのである。そうであるならば、その分の資産を負債残高から相殺すべきでない。

続いて社会保障基金が持つ金融資産は政府債務を返済するために用いることができないとある。

しかし、年金の将来に対する積立不足を国の財務書類では負債側に計上している。
つまり、社会保障基金が持つ金融資産は計算上相殺しているのである。

積立不足のものだけ負債に計上するのはいかがなものだろうか。

また膨大な外貨準備を根拠に、外国債建ての債権が円建て債権よりも格付けが高かったこともあり外貨準備も売却して政府債務の返済に当てるとすることもあるだろう。

やはり純債務で見るべきではないだろうか。それとも土居丈朗氏が格付け機関より優れた見識を持っているのだろうか。