民主党の高速道路無料化はピークロードプライシングに逆行する

混雑しているときには料金を高く取り混雑を緩和し、空いている時には料金を安くして平準化しようということである。

飛行機は既に朝早く比較的空きの多い便は料金が割安で、混雑する昼間の便は割高となっている。

高速道路でも現在は一部導入されており、夜間は50%OFFになるなど平準化する料金システムとなっている。
問題は法案こそ成立しなかった前原案である。前原案では上限を平日も2000円とするとともに、夜間の割引を廃止する。
一見、国民にはいつでも上限2000円で乗り放題という良い案に見えるかも知れない。しかし、実態は経済学と逆行する。


混雑がなぜ悪いことなのかといえば経済的に損失であるからである。なぜなら混雑して余計に時間がかかると機会費用がかかり、その分が混雑に巻き込まれた各々が負担することとなる。


提唱者の山崎養世氏も首都高などの混雑区間の無料化は否定的でETCを活用した緩和策も述べている。
ただし、山崎養世氏のホームページに『日本列島快走論』というコーナーがあるが、突っ込みどころが満載である。
例えば、4%の金利負担を考慮して借金を一気に今返せば言いながら、『30年もので2%の国債を発行すれば、いまの四公団の借金は一掃できます。』と支離滅裂である。
金利差はどこから来たのだろうか。そして金利負担も合わせると150兆円にもなるというが、それは50年間の間であって、50年間の4%のインフレを考慮すれば現在の価値では同じである。


資産側として考えれば年間2.5兆円ありこれを永久に続く収入と考える。
つまり毎年2.5兆円、リスクフリーレートを2%とするとコンソル債の計算と同じで現在価値は、2.5/0.02=125
125兆円の現在価値が資産側にあることになる。負債はたかだか40兆円である。


この結果も山崎養世氏も民主党も経済学を無視した結果である。


付け加えれば、電車もスイカを利用しピークロードプライシングを導入すべきである。首都圏の電車の混雑を平準化すべきである。八田達夫氏のミクロ経済学でも詳しく書かれている。