ソロスチャートから見る量的緩和と信用緩和政策の違い

日経CNBCの後藤 浩祐氏の「ソロス・チャートが問う「通貨の番人」日銀の円高対応」(http://blog.nikkei-cnbc.co.jp/anchor/?p=1001)は衝撃的だった。マネタリーベースが為替に影響することは知っていたが、信用緩和政策の下でここまで相関が高いとは思わなかった。


(日経CNBCより)


なぜなら日銀の量的緩和政策時には乖離して相関がなかったからである。

(http://blog-yoshida.okasan-online.co.jp/archives/576049.html)


そこで99年から10年までのソロスチャートをつくってみると、量的緩和の時期に乖離が大きくなっていると見える。


そこで様々な期間の相関係数を出してみる。


量的緩和期間と溝口テイラー介入の期間は相関係数が負になっている。これでは量的緩和は円安に効果は少ない。
しかし07年の夏以降のFedの信用緩和政策の間は非常に相関が高い。

さすがFRBバーナンキ議長と言ったところである。


日銀は円の守護者ではなく、日本経済の守護者になることを目的とするならばみんなの党が提案するような、中小企業債券の買取などでバランスシートを膨らませる信用緩和政策をとるべきである。

経常黒字国の日本はやはり円独歩という過度に急激な円高は経済に悪影響をもたらす。円安によるインフレ圧力を上手く活用しデフレ脱却と円安による輸出競争力を取り戻すことは一石二鳥である。

円安を目的とすると近隣窮乏化政策だと批判する人がいるが、Fedディスインフレに苦しんでいる中で信用緩和政策でマネタリーベースを増やしたことに対してこのような批判はあったあろうか?
デフレ脱却をし、経済を成長の軌道に載せることこそ世界の利益にもなるのである。