続・岩本康志氏による「日本銀行のトリレンマ」

岩本康志氏から反論をいただいた。

「日銀による財政政策だ!それは財政法違反だと各所で批判する岩本康志氏」って誰のこと? 私は,憲法に抵触すると言ってますが。日銀は限定された範囲で独立性を持つ。それを超えて独立性を発揮する問題が憲法83条に関係,それの範囲で独立性が侵食される問題が財政法5条に関係します。全く別。
中央銀行債務超過は,私のブログ「自己資本制約による将来の金融緩和へのコミットメント」 http://ht.ly/3LJ1I で書きました。そこで私が「経済学的に冷静に考えると,じつは深刻な問題でもない」と書いたのは,サマーズ氏の「So what?」発言と同趣旨でしょう。
大事なことはその先の,中央銀行債務超過を避ける行動をとる,ことにあります。その理由は私のブログにも書いてますが,他の理由を付け加えましょう。日銀は認可法人であり「特殊法人等」の範疇に属します。独立行政法人特殊法人等は債務超過に至る運営をすることは想定されていません。
債務超過になる政策を実行せよ,と言われれば,組織は戸惑います。米国財務長官に日本の特殊法人等の監督権限はないので,サマーズ氏から「So what?」とお許しが出ただけでは先に進みません。サマーズ氏が日本の総務大臣を務めたと思い込んでいたら,病院に行った方がいい。
私のブログの結論は,長めの国債を大量に買うよりは時間軸政策の方が良い,ということ。「Aの目的にはBよりCが良い」と発言したら,「Aの目的にはB」と思っている人から「お前はAを否定している」と絡まれているというパターンですね。
中央銀行債務超過を議論するときには,私はどう思うか,は無意味な質問です。そのとき皆がどう思うか,で考えないといけません。
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岩本先生のご指摘を受けて、二点日本銀行に確認を致しました。
1,日本銀行監督官庁というのは基本的にはない。総裁の任命権は両院、また財務省と深い関係はあるが、民間金融機関が金融庁が監督するような、監督官庁はない。
2,日本銀行は過去に決算で赤字を出したことはある。


まず順にお答えしたいと思います。

「日銀による財政政策だ!それは財政法違反だと各所で批判する岩本康志氏」って誰のこと? 私は,憲法に抵触すると言ってますが。日銀は限定された範囲で独立性を持つ。それを超えて独立性を発揮する問題が憲法83条に関係,それの範囲で独立性が侵食される問題が財政法5条に関係します。全く別。

これは、ご本人がそう仰るのですから誤解のないようにこの場をもって訂正いたします。


次に

中央銀行債務超過は,私のブログ「自己資本制約による将来の金融緩和へのコミットメント」 http://ht.ly/3LJ1I で書きました。そこで私が「経済学的に冷静に考えると,じつは深刻な問題でもない」と書いたのは,サマーズ氏の「So what?」発言と同趣旨でしょう。
大事なことはその先の,中央銀行債務超過を避ける行動をとる,ことにあります。その理由は私のブログにも書いてますが,他の理由を付け加えましょう。日銀は認可法人であり「特殊法人等」の範疇に属します。独立行政法人特殊法人等は債務超過に至る運営をすることは想定されていません。
債務超過になる政策を実行せよ,と言われれば,組織は戸惑います。米国財務長官に日本の特殊法人等の監督権限はないので,サマーズ氏から「So what?」とお許しが出ただけでは先に進みません。サマーズ氏が日本の総務大臣を務めたと思い込んでいたら,病院に行った方がいい。

中央銀行債務超過は、「経済学的に冷静に考えると,じつは深刻な問題でもない」そうで、サマーズ教授の主旨と同じそうです。
また、上記のとおり日本銀行に確認をしましたが、総務大臣監督官庁の長ではありません。

独立行政法人特殊法人債務超過に至る運営はしていというのはどういうことなのかよくわかりません。債務超過に至らないように国費を投入し続けることということでしょうか。

日本銀行は過去に決算で赤字になった年度もあります。
仮に絶対に赤字になってはいけないとすると、外貨保有の為替損益、また利上げによって長期国債が上昇すれば保有する国債の価格は低下しますが、利上げを行ってもならないのでしょうか。

また、同様に政策投資銀行日本郵政日本貿易保険なども損失を出せば国民負担となりますが、リスクをとることは許されないのでしょうか。


私のブログの結論は,長めの国債を大量に買うよりは時間軸政策の方が良い,ということ。「Aの目的にはBよりCが良い」と発言したら,「Aの目的にはB」と思っている人から「お前はAを否定している」と絡まれているというパターンですね。
中央銀行債務超過を議論するときには,私はどう思うか,は無意味な質問です。そのとき皆がどう思うか,で考えないといけません。

否定していると絡まれているとのことですが、憲法違反や法律違反と言っていたことを否定しないということはどういうったことでしょうか。
それは、憲法違反や法律違反だけども、否定しないから日銀がやっても構わないということで、つまり、憲法違反・法律違反をしろということでしょうか。