経済学者 池田信夫氏(笑)

デフレ脱却国民会議(笑)

誤解のないようにタイトルについて申し上げると、池田信夫氏のデフレ脱却国民会議(笑)をただ真似しただけである。

この程度の初歩的な経済学も理解できないらしいから、ていねいに説明しておこう。(これも池田氏の表現そのまま)


デフレ脱却国民会議の以下の設立趣旨に対して

経済というのはモノとお金のバランスによって成り立っています。しかし、お金の供給を長いこと怠ってしまうと、そのバランスが崩れ、お金が極端に不足します。すると、人々はモノよりもお金(紙幣=印刷された紙)に執着する現象が発生するのです。この現象がデフレです。


池田信夫氏は

「お金が極端に不足」するというのは、資金需要が供給を超過するということだが、この場合は(お金の価格である)金利が上がるはずだ。しかし今、長期金利は1%を切る水準で、日銀の政策金利は事実上ゼロである。これは資金が供給過剰になっているということにほかならない。この趣意書を書いた人物には、この程度の初歩的な経済学も理解できないらしいから、ていねいに説明しておこう。

と書いている。



しかし、これは大変重大な間違いがある。
金利には名目と実質がある。池田氏長期金利は1%を切る水準でというがこれは名目金利の話である。
フィッシャー方程式では名目金利=期待インフレ率+実質金利である。
つまり期待インフレ率がマイナスである以上は実質金利は1%よりも高い。


では実質金利はどれくらいだろうか?期待インフレ率というのは正確には知ることはできないがブレーク=イーブンインフレ率(BEI)とほぼ同じであると考えることができる。
BEIは約マイナス1%程度だろう。(http://www.bb.jbts.co.jp/data/index_bei.html)


つまり名目の長期金利の1%=期待インフレ率マイナス1%+実質金利2%である。
10年間の実質金利は2%程度である。


池田氏は以下のグラフを描いているが実際の均衡点は2でなく1である。


1⇒2に量的緩和など非伝統金融政策で実質金利を下げることは可能である。


結論を申し上げると池田信夫氏は名目と実質金利の区別がついていないのである。
(実際にはイールドカーブ名目金利の非負制約など複雑に捉える必要があるが反論のために簡単に書いた。)