白川総裁による「非不胎化」と「不胎化」議論

白川総裁は自著の現代の金融政策で第14章に為替介入について書いている。

「不胎化介入」と「非不胎化介入」の差は自国通貨の資金(中央銀行当座預金)の増減だけであるので、上記の議論は、結局、金融政策の変化は為替レートに影響するという議論と同じことになる。為替レートの決定要因は複雑であり、金融政策の変化と観察される為替レートの変化が1対1で対応しているわけではないが、金融政策の変化は為替レートに何らかの影響を及ぼす。しかし、その場合は、金融政策の変化が為替レートに与える影響を議論すれば十分であり、「不胎化介入」と「非不胎化介入」という概念を用いることに実益はない。
このように「不胎化介入」と「非不胎化介入」を区別することに意味はない


白川総裁は金融政策で為替レートに影響を与えるとよくご存知である。
しかし、円高を放置し、物価の安定も達成できず、しびれを切らした政府が介入すると非不胎化するのである。


そして更なる問題は白川総裁は、政策決定会合の決定を経ずに金融政策を独断で決めたことだろう。
事実上の金融緩和に普段からハイパーインフレを唱える人たちが白川総裁を批判しないのは不思議である。