日本銀行による為替差損ははなぜ許されるのか?
himaginaryさんの日記で西村清彦氏の講演を知り読んでいると、先日の岩本氏の債務超過と重なる話が出てきた。
(http://www.boj.or.jp/en/announcements/press/koen_2011/data/ko110111a.pdf)
先日、岩本康志氏は債務超過になる経営は特殊法人等は許されないという話をしていた。
単年度赤字と債務超過は違うという反論を受けたが、赤字なくして債務超過にはならないだろう。
そこで西村氏の講演を見ておこう。
By the same token, we should be very careful about the possibility
that asset purchases may lead to capital losses, which could tarnish the credibility of the
central bank.
資産購入が中央銀行の信認を傷つけることになるキャピタルロスにならないように十分に気を付けている。
ということである。
しかし、デフレからインフレになるには円安=通貨の下落=信認が落ちるわけである。
また、日本銀行はなぜ資産購入のみによってキャピタルロスを出さないようにしているのか不明である。
事実、保有する外貨から急激な円高、つまり日銀の金融緩和不足によって約2000億超の為替差損を出している。
H21年度決算(http://www.boj.or.jp/about/account/data/zai1005a.pdf)
岩本氏も日銀は債務超過になるような経営をしてはならない、それは財政民主主義に反し憲法違反だと唱えているが、この為替損益についてはどう考えるのだろうか。
日本銀行は、通貨安による自分たちの行いたくない政策にはキャピタルロスを持ち出し、通貨高による損失は黙認するのである。
岩本康志氏や日本銀行はなぜ為替損益には触れないのだろうか。