日銀流オリジナルテイラールールという粉飾
日本銀行は日銀レビュー:金融政策ルールと中央銀行の政策運営にてテイラールールに触れている。
この日銀のオリジナルテイラーでも00年のゼロ金利解除が失敗だったことを裏付けているが
この政策反応パラメータは元々、過去の米国の金融政策を記述するために提案されたものである。このため、経済構造が異なる日本にそのまま適用することが妥当かどうかは自明でない。
と日銀レビューでは言い訳しているが、
高橋洋一教授は
- 作者: 高橋洋一
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「日銀流オリジナルテイラー・ルール」は、本物にかなりお化粧を施しているのに、レポート文中ではオリジナルと称している(P62)
と指摘している。
詳しくは本にあるが、潜在成長率の推計方法と均衡実質金利が可変であることである。
これがテイラーオリジナルのテイラー・ルールと違いとなっているのに、日銀はオリジナルを自称している。
もう一点、この日銀レビューの面白いところは、応用形テイラーをつくって00年のゼロ金利解除を正当化していることにある。
日銀が正当化するための言い訳は
目標インフレ率については、テイラーが米国経済について設定した2%という水準を参考に、上下に幅を持たせた。具体的には、0%から3%まで0.5パーセント刻みに目標インフレ率を仮定し、それら7通りの各々につき政策反応パラメータを推計してテイラー・ルールを導出、その最大値と最小値によって政策金利のレンジ(水色線)を表示した。
⇒はっきり言って意味が分からないが、日銀の金融政策を正当化するためには、インフレ目標を0%と説明したり3%とその時の都合によって説明すれば何とか説明できますよ!ということだろう。
これも高橋氏が本で指摘している。
「応用形テイラー・ルール」は、「日銀型オリジナルテイラー・ルール」に金利スムージングへと変わるインフレ目標をくわえています。(P64)
つまり、HPフィルターと均衡実質金利で「第一次粉飾」したのに、また金利スムージングを加えて「第二次粉飾」して日銀の過去の金融政策を正しく見せているという指摘である。