純粋な貨幣数量説 MV=PYについて

池田某という炎上ビジネスをしている自称経済学者(彼の博士号は政策・メディア)が
貨幣数量説を持ちだして、リフレ派を攻撃するつもりだったのだろうが、自滅している


経済学者でない、炎上ビジネスを狙っている人に経済学から批判しても仕方がないのだが、
マスコミにたまに使ってもらっているようだし多少は影響力があるようだからきちんと
彼の間違いを指摘しておく


池田某は

リフレ派は「一般物価は中央銀行の出す通貨量で決まる」という素朴な貨幣数量説を主張するが、マネタリズムの元祖とされるミルトン・フリードマンもそんな単純な関係を主張したことはない。

http://agora-web.jp/archives/1345966.html

としているが、これはリフレ派でなくとも東京大学の岩本康志教授が主張している。
岩本氏は

quantity theory of moneyは直訳すれば貨幣数量理論だが,貨幣数量説と訳されている。これは,貨幣量が物価を決定することを主張する理論である。貨幣M,物価P,実質所得Yとして,これらに MV=PYという関係を考える。
(中略)
貨幣数量説と流動性の罠という,昔からマクロ経済学の教科書に書いていることが日本で現実に起こっていることを確認すれば,国債の日銀引き受けがデフレ脱却に何の意義もないことはすぐわかることである。

と岩本氏は貨幣数量説を肯定している。



ちなみに、池田某は必死に高橋洋一教授が単純な貨幣数量説を信じていると力説している。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51734107.html


当の高橋洋一氏はtwitter

私が「ベースマネーを増やしたら直ちに物価が上がる」という単純な貨幣数量理論を言っているかのようにいう人がいるよう。日本経済のウソ http://amzn.to/fpxE5B そのほかの著作をみれば書いてあるけど、効果のラグの話や予想物価上昇率などの意味だ。データを書いている

http://twitter.com/YoichiTakahashi/status/43574809216565248



端的に言えば、池田某は経済学の知識が勉強不足のために、リフレ派を攻撃しようとしたが、
自分のリテラシーのなさとお仲間であったはずの岩本康志氏も攻撃して自滅していることである。

まあアゴラのレベルはそんなものなのだろう


【追記】
この記事の面白い点をもうひとつ

池田某は財政政策すれば、インフレになるとしている。
マンデルフレミングを知らないのだろうか。
もし仮にマンデルフレミングモデルを理解していれば国債を買い入れは効果があることになってしまう

逆に効果のある政策としては、日銀がやった「包括緩和」のように株式や不動産を買う方法が考えられるが、これは実体経済を攪乱する政策の最たるものだ。日銀があらゆる資産を無限に買いまくれば、インフレは起こるだろう。それは財政政策であり、国会が決めれば可能だが、財政赤字を拡大して日本経済をさらに危機的な状況に追い込むおそれが強い。これが日銀のジレンマである。

池尾和人の総合CPIとコアコアCPI

池尾氏は記事の中で

要するに、生活に直結しているのは総合CPIの動きであるが、先行きの物価の趨勢的な動きを判断するにはコア(コア)CPIの動きがより参考になるということである

とトレンドは総合CPIよりもコア(コア)の動きが参考としている。


しかし、池尾は以前にどのように言ってたか

政府の月例経済報告も「景気は、着実に持ち直してきており、自律的回復への 基盤が整いつつあるが、失業率が高水準にあるなど 依然として厳しい状況にある。」という基本認識。こうした事情がコアCPIを使うとよく見えるが、コアコアCPIを使うとかえってみえなくなるというだけでは。

http://twitter.com/#!/kazikeo/status/20105164643

米国と比較する時には、定義をできるだけそろえた方がよいというのは道理だけれども、言うまでもなくエネルギー物価の動きは、日本にとっては交易条件を規定する重要要因だという意味でも無視できない。エネルギー物価の動きを除去した方が、日本経済の現状がよく表せるわけではない。

http://twitter.com/#!/kazikeo/status/20110331349


池尾和人の自己矛盾に笑止千万である

円高を止める方法

新聞報道によると政府が介入以外の方法で円高を止めることを示唆した。

 介入以外の対応策も 歴史的円高財務相が方針 
野田佳彦財務相は12日の閣議後の記者会見で、歴史的な円高について「一方的な動きが続くようなら、さまざまな検討をしたい」と述べ、政府、日銀による円売り介入以外の対応策も考える方針を明らかにした。

(http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110812/mca1108121145013-n1.htm)



では、まず円高を止める方法とは何があるのか日銀と政府に別けて整理する。


・日銀の政策
1,銀行券ルールの撤廃、長期国債買入増額
2,資産買い入れ等基金を増額
3,政府が為替介入した場合には、非不胎化(政府が介入のために発行したFBを買う)
4,超過準備に対する付利を止める
5,物価水準目標政策(あるいはインフレターゲット政策)の導入
6,為替ターゲット政策の導入
7,白川総裁以下の審議委員辞任


・政府の政策
1,物価水準目標を定める
2,断続的な為替介入
3,復興財源の日銀引受
4,固定相場制の導入
5,資本規制
6,日銀法改正
7,白川総裁以下解任


政府が介入以外の方法で円高を止めるなると現実的なプランとしては、日銀引受だろうか?
野田財務大臣に期待したい

東日本大震災と阪神大震災のドル円レートと日経平均株価の比較 〜100営業日目〜

昨日8月8日は、東日本大震災から100営業日目である。
震災後に強力な金融緩和によって円高を止めること。
そして、円高の阻止によって日経平均株価を保つことを提言し、また忠告してきた。


高橋洋一氏も昨日にtwitterにて

10円円高になると日経平均は1100円下がる現実を見よ--米国債格付け引き下げより深刻な、政府・日銀の「自国窮乏化政策」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/15094

(http://twitter.com/#!/YoichiTakahashi/status/100357228665634816)


とつぶやいているが、円高が進めば日経平均株価が下がるのは自明だろう。
そこで100営業日後どうなったか見てみよう。



阪神大震災東日本大震災の震災後の動きは非常に似通ったものとなった。
円高が進行し、日経平均株価が下落するという懸念していた状況になってしまった。


相対的には、阪神大震災と比べ円高が進まなかった分、日経平均株価の下落もとどまっているが、東日本大震災後の下落率は▲12%にもなっている。


マンデル=フレミングモデルの法則通りのことが起こっている。
必要なのは日銀が金融緩和によって円高を止めることである。

本当の国の純債務 - 国民経済計算確報より -

先日も、年金積立金が負債計上していることがおかしいと指摘したが、経済財政白書は内閣府の公表する国民経済計算確報に基づいている。


ところが、元の国民経済計算確報では、年金積立金は負債計上されていない。


つまり、与謝野大臣率いる経済財政白書のチームはデータを加工し、国のバランスシートをつくりあげ、純債務を大きく見せている。


実際の純債務は48兆円であり、対GDP10%程度である。
日本は本当に財政危機なのだろうか?

日銀によるFXは必要か?-為替差損4800億円-

昨日から、介入が話題となっているが日銀は資産に5兆円の外国為替保有し、我々の血税が約4800億円も失われている。

営業毎旬報告(平成23年7月31日現在)
外国為替 5,049,885,477(千円)

(http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2011/ac110731.htm/)

平成22年度の損益の状況

外国為替関係損益 ▲4810 (億円)

(http://www.boj.or.jp/about/account/zai1105a.htm/)

日本銀行外国為替を5兆円も保有する必要があるのだろうか?

日本銀行はなぜ国債を時価評価して利益計上しないのか?

平成22年の損益計算書を見ると非常に不思議なところがある。

外国為替時価評価し損失を計上する一方で、国債時価評価せず利益を計上していない。


国債は満期保有目的なのだろうか?
それとも国庫納付金を少なく納めるために意図的に粉飾決算を行っているのだろうか?


【追記】
日本銀行の会計規程に詳細がある
時価評価はせず全て簿価で売却したときには時価との差額を売却差益として計上とのこと。

(有価証券の評価基準及び評価方法)

第13条 有価証券の上半期末及び事業年度末における評価は、次のとおりとする。

(1) 円貨建債券及びコマーシャル・ペーパー等(コマーシャル・ペーパー(資産担保コマーシャル・ペーパー及び不動産投資法人コマーシャル・ペーパーを含む。)及び短期社債等(短期社債、保証付短期外債、資産担保短期債券及び短期不動産投資法人債をいう。)をいう。以下同じ。)の評価は、移動平均法による償却原価法により行う。
(2) 外貨建債券及び外貨建投資信託の評価は、時価法により行う。
(3) 株式、指数連動型上場投資信託受益権及び不動産投資法人投資口の評価は、移動平均法による原価法により行う。