インフレターゲットはジンバブエになるのか

インフレターゲティング政策や更なる金融緩和はジンバブエのようになるという人がいる。


ところが実態はどうだろうか。
実は池尾和人氏が先日紹介していた日銀の資料のひとつ前のページに戻ると各国のインフレ目標と実績値が載っている。(http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji_new/data/mpo0603a.pdf)

直近というのは06年までのデータであるが、全ての国で完璧と言っていいほど成功している。
このような資料を作成した日本銀行がかたくなにインフレターゲットを否定するのは、何か別の理由があるのだろうか。


なお池尾和人氏は平成20年6月3日に参議院議院運営委員会インフレターゲットに問われ

参考人(池尾和人君) インフレーションターゲティングということについては、その内容をどう理解するかということだけで、我が国の議論の中では、何というんですかね、様々な理解の仕方があるというふうに思います。
 一方では、あるターゲットにしたインフレ率を何が何でも実現するためにもうできることは何でもするんだというふうな政策としてインフレターゲティングを理解するような、私からするとやや乱暴な理解もあると思いますが、それに対して私が理解します本来のインフレーションターゲティングというのは、金融政策の運営の枠組み、フレームワークでありまして、本来的な意味での金融政策の運営枠組みとしてのインフレーションターゲティングというのは、金融政策の透明性を向上させるという意味で私はメリットがあるというふうに基本的には思っております。
 しかしながら、先ほどもちょっとイングランド銀行のことを申し上げましたが、この間の金融資本市場の不安定化の中で、インフレーションターゲティングを公式に採用しているイングランド銀行の対応ぶりが必ずしも適切なものだったかどうかということには一定の疑問があるわけでありまして、もう一度今回の金融資本市場の混乱の総括をした上で、インフレーションターゲティングについては再検討する必要があるだろうというのがちょっと研究者としての関心であって、まだ政策担当じゃないので、研究者としては思っているところです。


と前向きにとらえた発言をしている。