クルーグマンのインフレターゲット政策を実行せよ

一部の人がクルーグマンインフレターゲットを捨てたという論調があった。
しかし、それはクルーグマンの皮肉を真に受けたか、英語が読めなかった人の誤解である。


8月14日号の週刊現代で「間違いだらけの日本経済」というクルーグマンのインタビュー記事がある。
そこでクルーグマンは結びに

まずはインフレ・ターゲット政策を実行してデフレの流れを止め、景気を回復させる

と書いている。


依然、クルーグマンインフレターゲット政策を放棄したと騒いでいた人たちは見事に裏切られたわけである。(裏切られたというより元々彼らの誤解であるのだが…)


インフレターゲットを批判する人の頭には物価の安定とハイパーインフレとの二者択一しか頭にない人が多く、すぐにジンバブエと言うが、緩やかなインフレとジンバブエは全く違うと述べている。


もうひとつの理由は制度上の問題で日本やアメリカのように「流動性の罠」に陥った状況でインフレターゲット政策を機動的に実行しても容易にうまくいくものではなく日銀やFRBの役人は責任を持ちたくないとしている。


クルーグマンは金融政策にはインフレターゲット、財政政策には大型の財政出動というポリシーミックスを重視しているためにこういった論調という背景もあるだろう。
例えばサムナー教授のように金融政策に更に重きを置いたデフレ脱却も考えられる。


つまり、クルーグマンインフレターゲット政策を主張し続けているが、それだけでなく財政でも大規模な財政出動が必要というポリシーミックスの話をしている。

やはり日銀と政府が話し合いデフレ脱却に向けアコードを締結することが重要なのである。