岩本康志教授の「中央銀行の力」のおかしなところ。
岩本康志教授が中央銀行の力というブログを書いている。
長期国債,社債等の資産を中央銀行が買うことで,経済に影響を与えようというのが,非伝統的金融政策のひとつの手段である。
しかし,「金融政策と財政政策の間(その2)」で説明したように,このような手段は中央銀行のバランスシートにリスクを抱えることになり,財政政策となる。中央銀行は国会の関与がないまま,財政政策を大々的に展開することには躊躇して,リスクの程度が小さい資産を少量買うことに留まっている。しかし,そうすることで発現する効果も弱くなる。
これはまず本末転倒な議論である。日銀総裁は国会同意人事なので国会の関与を受けている。
そして国会で定められた日銀法にある「物価の安定」が目標となっている。
そして日銀は、物価安定の理解を発表し1%前後のインフレ率とデフレ許容しないと宣言している。
国会の関与はあるのである。
また不思議なことは中央銀行の財政政策としてリスクを抱えるのは当然ことである。
なぜなら国債は無リスクではない。
ここでのリスクに岩本氏は
が挙げているが、リスクの程度というのは社債のことだとしても日銀はCP・社債の購入を理由として決算余剰金からの内部留保を5%から15%に増やし、財務大臣の認可を受けている。
これは国庫納付金を減らしており、事実上の国の財政政策でもある。
財務大臣の認可も国会の関与であり、リスクをとらない理由にはならない。
岩本氏は続けて
その場合,デフレ脱却はできる。
実にデフレ脱却に頼もしい一言である。