マイナス金利を現実的に考える

マイナス金利が達成されればデフレ脱却は簡単である。
では現実的にはいかにしてマイナス金利を達成できるか考える。


・ゲゼルのスタンプ
紙幣の裏に手数料を払いスタンプを押すことによって紙幣としての効力をもつものである。
紙幣でない電子上のお金には同時に課税することもできる。

ただし現実的には紙幣をどうするか、500円玉に大量に換金されるなどの事態も想定できる。
スタンプを押すにはいずれにしても新券発行が必要だろうし、どこでスタンプを押すのかなど大きな混乱が予想されあまり現実的ではない。


・新券発行
ゲゼルのスタンプと似た様なもので新券発行というプランもある。
定期的に紙幣の色を変えて、旧札と新札の交換の際に手数料とり実質的にマイナス金利にするのものである。
ただし、これもデフレスパイラルならまだしも、現在のマイルドなデフレでは支持されないだろう。

日本銀行券の文字を財務省に変えた政府紙幣を発行する方が合理的であると思われる。


電子マネー
ドイツのキームガウアー、フランスのSOLなど実際の例があるが地域通貨としてであり、国単位で通貨を電子マネーにしているところは未だない。
しかし、長期的に考えると電子マネーの方向に向かうのではないだろうか。また、紙幣や貨幣と電子マネーを併用する事も可能である。
そして、電子マネーにすると割引になるなど国としてインセンティブを与える設計にすれば急速に広まる可能性もあるだろう。

持っている電子マネーの表示がマイナス金利によって減価していくとしたら、消費を活性化させたり、リスク資産を購入するだろう。
また、いずれ紙幣や貨幣を流通停止にするならば、アンダーグラウンドマネーもなくなる。

そして、名目金利の非負制約という金融政策の限界を乗り越える事ができるのである。