池尾和人氏のリフレ派転向?

池尾氏はかつて以下の通り書いている。

要するに、むしろデフレ期待が支配的だからこそ、GDPの2倍もの政府債務を抱えていてもいまは「平穏無事」なのです。冗談でも、リフレ派のような主張はしない方が安全です。
(http://agora-web.jp/archives/765910.html)

ところが、アゴラに桜内文城参院議員が『二つの「量的緩和」』という記事を掲載したところ
池尾氏はコメント欄にて

ご主張は、論理的には全く真っ当なものだと感服いたしております。

とすぐさまコメントしている。


桜内文城先生は以前から、日銀直接引き受けによる経済復興基金の創設(日銀の新基金創設も賛成、ただし増額)を唱えている。(http://ameblo.jp/sakurauchi/entry-10608941738.html)


桜内先生の主張は以下の通りである。

デフレ脱却に向けた量的金融緩和政策の提言を行ってきたところである。その提言の最も重要なポイントは、50-100兆円規模の基金を創設し、その資金調達のための出資証券を日銀が直接引受けることにある。これにより当該基金を通じて日銀が直接市中に通貨(マネーストック)を注入し、デフレからの脱却を図るという趣旨が今回の日銀による基金創設と完全に一致している。

早期のデフレ脱却を確実なものにするためにも、日銀は今回の資産買取基金の規模を50-100兆円に拡大するとともに、買取り対象資産の範囲をさらに拡大すべきである。今回の資産買取基金の創設によって、日銀はようやくデフレ脱却に向けた第一歩を踏み出したものと評価し、今回の決定を強く支持するものである。
(http://ameblo.jp/sakurauchi/entry-10668841470.html)

これは、十分にリフレ政策である。日銀の新基金は額が足りないという主張である。



となると、池尾和人氏は
デフレ期待のおかげで財政が発散しないので、冗談でもリフレ派のような主張をしない方がいいと言いながら、
今回の桜内先生のリフレ政策に

ご主張は、論理的には全く真っ当なものだと感服いたしております。

とコメントしているのはどういった了見だろうか。
私が推測するに、池尾和人氏はリフレ派に転向したのだろうか。
それとも、日銀引き受けの資産買取り基金の規模を50兆円にすることは、リフレ派のような主張ではないのだろうか。