続々・池尾和人氏のリフレ派転向?

池尾氏はアゴラの記事にてヘリコプターマネー政策によってデフレ脱却した後に、シニョレッジほとんど期待できないと述べている。
(http://agora-web.jp/archives/1141545.html)


氏の議論は、ケッチャップを買いヘリマネ政策(中央銀行輪転機を回した紙幣で市場からケッチャップを買い上げる)をすると、インフレになってから引き締めるときに、賞味期限が過ぎて傷んだケッチャップは誰も買ってくれないので、中央銀行は買ったものを捨てて損をします。そして利益が減少して国に納めるお金が減るのでケチャップじゃなくて、後で売りやすいものを買ってくださいということである。


このシニョレッジが現象する点では正しい。しかし、政府は日本銀行に利潤最大化を求めてはいない。
シニョレッジが欲しくて日本銀行に金融政策も任せたりはしていないし、白川総裁に利潤最大化して国庫納付金をたくさん納めなさいと言ってるわけではない。


物価の安定に対して責務を負っているのが中央銀行である。
池尾氏の提案する通りケチャップではなく、長期国債でも結構なのでデフレ脱却するまで買い続け、デフレ脱却をしたら金融引き締めとして国債を売ればいいのである。
(ただし、国債価格も下がっていると思われる…、つまりインフレに強い資産(ETFREIT)を購入すれば良い。)