白川方明とアダムポーゼン

白川日銀総裁東日本大震災とアダムポーゼン氏のJapan can – and will – be a normal economy againが比較対象となり非常に興味深い内容となっている。

白川氏は

第2は、潜在成長率引上げの努力です。2000 年以降の就業者一人当たりの実質 GDP 成長率をみると、日本は米国に比べて僅かながら劣るとはいえ、G7諸国の中では、最上位グループに属しています(図表9)。しかし、生産年齢人口の減少が近代の経済史に例を見ないスピードで進行しており(図表10)、その結果、成長率は趨勢的に低下傾向にあります地震発生以前から、潜在成長率の引上げは日本経済の最も大きな課題でしたが、労働参加率の引き上げ、生産性向上の努力の重要性は増しています。復興に当たっては、潜在成長率を引き上げていく取組みが、これまで以上に重要になっています。これらは決して容易な課題ではありませんが、しっかりと取り組まなければなりません。


対してポーゼン氏は

Yes, the Japanese population is aging rapidly, but what matters for human welfare and for sustainable performance is per capita income growth, and history shows that slow demographic changes do not prevent sustained growth by that relevant measure.

急速な高齢化はあるが、人の幸福と一人当たりの収入の伸びが持続可能かどうかということは歴史から見てもゆっくりとした人口動態の変化は持続的な成長を妨げない。
と答えている。


そして過去の教訓も

Just as the long recovery of 2002-2008 finally brought inflation back above zero before the crisis hit, the current recovery will bring Japan back to price
stability

景気回復は小泉時代のことですね。



ポーゼン氏から白川氏への警告

Underestimating the potential growth rate of Japan again, and returning to
monetary or fiscal policy tightness too soon could become a self-fulfilling
prophecy.

また潜在成長率を低く見積もると、金融引き締めと財政緊縮で本当に日銀の予言どおりになってしまうかもしれない。
と、まさに日銀によるデフレ不況が続くことを示唆しています。



日本銀行は月末に展望レポートを公表するが、ぜひポーゼン氏の警告を聞いていただきたい。