東日本大震災と阪神大震災の比較 〜34日営業日目〜

片岡剛士さんのメルマガに寄稿している浜田宏一先生のグラフは、阪神大震災を取り上げている。
また、金融庁も震災50日(営業日)のグラフを作成していたが、高橋洋一先生の指摘するように約3ヶ月後にマンデル=フレミングの法則通り円高になっており50日では足りないので約100日(営業日)に拡大して紹介する。

まず、浜田先生のグラフである。

4.エール大学の書斎から2(第3回「グラフから考える日本経済」)

寄稿:イェール大学 浜田宏一

【2】日本経済についてのセミナーを教えるイェール大学の学生にレポートを書かせた
が、それぞれ優秀でほとんどにAをつけたくなって──教務からグレードインフレは
困ると言われ─苦労している。学生のひとりJon Pederson君の神戸震災直後の円高
図を示す(図表5-2)。今回も円相場は76円台の市場高値をつけた(図表5-1)。

(図表5-1)Earthquake-tsunami disaster 2011
(図表5-2)Japanese Yen to Dollar Kobe Earthquake 1995
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=182156175168311

震災は、復旧物資の値上がりから円安要因にも考えられるが、実は日本円や円建
資産に対する需要を増やして円高要因になる。これを神戸震災のように、金融緩和
をしないで放置しておくと産業の競争条件を害して生産の下落を招く(図表6)。

(図表6)Stock market reactions
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=182156381834957

メルマガ『The Neo Economist』Vol.9より引用
http://www.mag2.com/m/0001243115.html


そこで100日のグラフを見てみよう。(震災日=100)



長期金利は、阪神大震災と同様に下がっている。
日経平均株価は30日前まで阪神大震災とほぼ同じ動きをしている。


阪神大震災と大きく異なる点は、約30日後に阪神の際には円高が急激に進んだ。
しかし、今回は為替は緩やかに進んでいるものの、急激な円高に進むことはなくなんとか踏みとどまり、その効果が日経平均株価に現れている。


つまり、金融政策はなお有効であり、さらなる強力な緩和によって円安誘導とデフレ脱却により日本経済を回復させるべきである。
また、これから2次補正が出てくるとマンデル=フレミングの法則通り円高が進む。


財政政策は国会で審議してからお金を使うために時間がかかるが、金融政策は即日実行出来る。
いまは、大胆な金融政策を実行し、今後は2次補正に合わせ金融緩和も推し進めるべきである。