CPI改定の言い訳を始めた日本銀行

白川総裁は大震災後の日本経済:復旧、復興、成長── 内外情勢調査会における講演 ──で以下のように述べている。

先行きの見通しを具体的な数字で申し上げると、消費者物価の前年比については、2011 年
度、2012 年度とも+0.7%と予想しています。
こうした見通しどおりであれば、本年度の消費者物価は3年振りに前年比プラスとなりますが、この点については若干の補足が必要です。すなわち、消費者物価指数の作成当局である総務省では、本年8月に、5年に1度の基準改定を予定しています。通常、改定される直前の消費者物価指数には、パソコンやテレビなどの大幅な価格下落が反映されにくくなり、前年比伸び率が幾分高めとなりやすい、という統計作成上の技術的なバイアス問題が指摘されています。したがって、基準改定が行われると、消費者物価の前年比計数は、下方改定される可能性が高いと考えられます。

これは白川総裁の著作である「現代の金融政策」では、品質調整として紹介されている。

そしてP72の物価指数の測定誤差と金融政策運営の関係という項目では

金融政策運営にとって意味のある物価安定とは生計費指数の安定とは必ずしも一致しない

としている。


つまり、下方改定されることをわかっていながらCPIを0〜1%を目標とした金融政策を運営し、下方改定は金融政策と関係ないとしながら言い訳しているのである。