円高で失われた金額は7兆6234億円 (東証一部上場企業のみ)

またしても急激な円高が進んでいるが、2010年には円高でどれだけの損失が出たのか調べる。
今回は東証一部上場企業のみに絞り、2010年度決算の貸借対照表の純資産の部にある「為替換算調整勘定」を計算する。

100位までの順位は以下のとおりである。



東証一部のみで、合計7兆6234億円、GDP比で約1.5%の純資産が円高で消えた。
企業の想定レートよりも円高進まなかっただけで本来は純資産が約1.5%分、7兆6234億円分増加しており、デフレ脱却とともに円安に振れていればさらに利益は大きくなり、景気回復していたはずである。



また、今回は東証一部のみの計算だが、日本の企業全体で考えればさらに大きくなるだろう。
円高は、日本経済から利益を奪うだけではなく、雇用、税収と様々なものを奪っている。


日銀はこうした現実をデフレとともに放置しており、野田財務相は注視しているだけである。