2011-01-01から1年間の記事一覧

白川マネタリーアプローチ論文のバランスシートへの拡張

tacmasiさんが円/ドルレート・実測値と白川(1979)の手法による推定値と白川マネタリーアプローチ論文が現在にも当てはまるか検証し、当てはまることがわかった。ただし、論文ではM2を利用しているために、日銀派はマネタリーベースとマネーサプライの関係が…

「震災復興にむけての3原則」という伊藤隆敏・伊藤元重+有識者の老害

伊藤隆敏(東京大学)・伊藤元重(東京大学)+ 経済学者有志が「震災復興にむけての 3 原則」を発表している。はっきり言って増税ありきの結論のためにかなり幼稚な提言となっている。 ここでは、財源論について取り上げる。 提言では ・財源は15-20兆円規模…

白川方明は狼少年?

白川氏は通貨、国債、中央銀行―信認の相互依存性―と題した講演で以下のように述べている。 確かに、物価が上昇すれば、税収は増加するかもしれません。 もっとも、過去 20 年間の日本のデータをみると、歳入の増減率と物価上昇率の間にはほとんど有意な関係…

CPI改定の言い訳を始めた日本銀行

白川総裁は大震災後の日本経済:復旧、復興、成長── 内外情勢調査会における講演 ──で以下のように述べている。 先行きの見通しを具体的な数字で申し上げると、消費者物価の前年比については、2011 年 度、2012 年度とも+0.7%と予想しています。 こうした…

東日本大震災と阪神大震災の比較 〜34日営業日目〜

片岡剛士さんのメルマガに寄稿している浜田宏一先生のグラフは、阪神大震災を取り上げている。 また、金融庁も震災50日(営業日)のグラフを作成していたが、高橋洋一先生の指摘するように約3ヶ月後にマンデル=フレミングの法則通り円高になっており50日で…

「財務省のトリック」の種明かし

高橋洋一教授がZAKZAKの記事にて財務省のトリックを明かしている。 この数字にはトリックがある。国債残高は600兆円だ。もしすべて1年債であったなら、金利が1%とすると次の年に6兆円増加して、その後は増えない。実際には1年より長期の国債もあるの…

岩本康志氏の1995年でVが一定は事実か

岩本康志氏はブログにて Vが一定であると考えるのが貨幣数量説である。すると,貨幣と名目所得は比例関係にある。実質経済成長を考えなければ,貨幣の増加は長期的に実体経済には影響を与えないならば,物価を上昇させることが言える。実質経済成長があれば…

野村證券金融経済研究所 木内登英氏の金融政策は供給サイドには働きかけない

サンデーフロントラインにて野村證券金融経済研究所の木内登英氏は、金融政策は需要サイドにしか働きかけず、供給サイドには働きかけないと言っている。 木内登英 いま景気が落ちているのは供給サイドなわけで、それは企業ががんばらないと立ち上がってこな…

白川方明とアダムポーゼン

白川日銀総裁の東日本大震災とアダムポーゼン氏のJapan can – and will – be a normal economy againが比較対象となり非常に興味深い内容となっている。白川氏は 第2は、潜在成長率引上げの努力です。2000 年以降の就業者一人当たりの実質 GDP 成長率をみる…

日本銀行へ国債オペを廃止して社債オペの勧め

金子洋一参院議員が参院の財政金融委員会の質問に立った。 金子議員は、日銀が東電の社債買い入れが行われているという報道、東電の社債のCDSは日本国債のCDSの5倍にもなっていることを背景に、東電の社債を買い入れているのによりリスクの少ない日本国債を…

日本銀行に高給は必要か?

日本銀行は過去16年間にわたりデフレ脱却できずに物価の安定を達成できずに失敗を重ねる組織である。日本銀行に賞与は必要だろうか? いくらもらっているのか給与とともに見てみよう。 (http://www.boj.or.jp/announcements/release_2010/data/un1006g.pdf) …

フィッシャー方程式と長期金利と日銀引受の是非について

フィッシャー方程式から日銀引受について考えてみよう。 まずフィッシャー方程式とは、名目金利=実質金利+期待インフレ率である。 結論から述べると、日銀引受しない=日銀が金融緩和しない場合に、日銀引受した場合の両者とも長期金利は上がるだろう。た…

森本宣久日銀審議委員は辞任せよ

日本銀行は社債等買入オペで東電の社債を買ったという観測がある。 UBS証券クレジット調査部長の後藤文人氏は「最低落札利回りと平均落札利回りの格差(テール)が拡大したことを踏まえると、買入の一部に東京電力債が対象になった可能性が大きい。 (http…

岩本康志氏への質問

まず貨幣数量説と流動性の罠を見てみよう。 Vが一定であると考えるのが貨幣数量説である。 ⇒Vが一定であるという根拠は何だろうか? 次に岩本氏のtwitterでの発言を見てみよう 市場が買うときには同じだが,買うかどうか決めるときには,新規債をどれだけ出…

日本銀行の資産買入等の基金におけるウソ

日本銀行は昨年10月に「資産買入等の基金運営基本要領」で主旨を以下のとおり定めている。 この基本要領は、金融緩和を一段と強力に推進する観点から、長めの市場金利の低下と各種リスク・プレミアムの縮小を促すための臨時措置として、資産買入等の基金(資…

日銀直接引き受けは通貨の信認を損ないハイパーインフレとなるのか

まず、整理しておきたいことは通貨の信認を損なうことはハイパーインフレを意味しない。 円安=インフレは当然ながら通貨の価値が下がることを意味する。 そこで財務省の年度国債・政府保証債の発行予定額と長期金利から、日銀による国債の直接引き受けの額…

もし白川方明がバーナンキの「日本の金融政策に関するいくつかの論考」を読んだら

2011年4月1日、日本銀行総裁白川方明はバーナンキの論文「日本の金融政策に関するいくつかの論考」を片手に緊急政策決定会合を終え記者会見しました。 今まで日本銀行は「海図なき航海」に出航して依頼、ゼロ金利緩和解除、量的緩和解除、リーマンショック後…

若田部昌澄教授の「日本は復興できる」

3月28日のモーニングサテライトに早稲田大学の若田部昌澄教授が日本の復興の条件を政策提言していた。 (http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/shincyouryu/post_1000.html) 主張は、復興財源の確保として増税に反対し日銀引き受けを行う。 その効果として円安と…

復興国債の日銀引受FAQ

【随時加筆&訂正する可能性があります。】 Q復興債とは?A東日本大震災の復興財源を確保するために発行された国債。 Q額は?A10兆から〜100兆と提言する人によって様々な額がある。 Q日銀引き受けとは?A発行した復興国債を市中消化(市場で流通…

白川総裁、野田財務大臣は虚偽答弁を撤回せよ

彼らは日銀引受は禁止されていると国会で述べている。 これは完全に財政法5条但し書きに反する虚偽答弁である。 [東京 22日 ロイター] 野田佳彦財務相は22日午後の参院予算委員会で、東日本大震災の復興予算の財源で、無利子国債を発行して日銀に直接…

池田信夫さん!当然、円高は日銀が止めることが出来ます。

また「経済学者」の池田信夫さんがよくわからないことを書いている。 いずれにせよ、この円高を日銀が阻止することはできない。図2(左目盛は逆)でも明らかなように、日銀は2009年から一貫してマネタリーベースを増やしているが、為替は逆に円高(ドル安)…

ニューケイジアンからの提案

震災復興に関して、増税というニュースが流れた。 それに対して、財政審の委員の土居丈朗氏や財務官僚の小黒一正氏が言及していた。 一方で矢野浩一氏がニューケイジアンの立場から政策提言を行っている。 結論は (1)まず「通貨発行益を利用する財政政策…

池田信夫さんからの脅迫について

【追記&再掲】池田信夫氏は自称経済学者を名乗っているが、池田氏の博士号は(政策・メディア)でありなぜ経済学者を自称しているのか甚だ疑問である。 また、この表現を使用するメディア・マスコミも同罪であると考える。 あの記事を消さないとお前の実名…

池田信夫のリテラシー

【追記&再掲】池田信夫氏は自称経済学者を名乗っているが、池田氏の博士号は(政策・メディア)でありなぜ経済学者を自称しているのか甚だ疑問である。 また、この表現を使用するメディア・マスコミも同罪であると考える。 「経済学者」の池田信夫さんが今…

日本銀行はプルーデンス政策ではなくマネタリー政策を行え!

ドル円レートが一時1ドル=76円台と史上最高値を更新した。日本銀行は国庫短期証券(TB)買いオペや国債買い現先オペなどを連日行っているが、これは市場の流動性確保のマネタリー政策である。 当座預金残高は31兆円と約5年ぶりの水準となったものの、…

どさくさまぎれに本予算成立を目論む民主党政権

民主党は、地震を利用して来年度本予算の成立を企んでいる。 3月12日(ブルームバーグ):11日午後に東北地方で発生した大規模地震の災害復旧をめぐり与野党は12日官邸で党首会談を開いたが、結論は出ず、物別れとなった。岡田克也民主党幹事長らが会談後、…

メルトダウンは菅直人首相の人災?

地震の被災者の方にお見舞いを申し上げます。また、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りします。 今回の炉心溶融は菅直人総理大臣が視察にいったために、圧力弁開放が遅れた可能性が高い。 時系列を追うと、8時1分に海江田経産相が容器内の空気を外部に…

白井早由里(白井さゆり)の「円はまだ安い」=デフレは良いことだ

白井さゆり氏は円は実質実効為替レートを歴史的に見れば低い水準だと言っているが、これはデフレは良いと認めたことになる。 岩田規久男教授の「デフレと超円高」より引用する。(P62) 実質実効為替レートは輸出産業の競争力を表すという考え方から、 10年9…

実質実効為替レートと交易条件のデカップリング

「バブルデフレ期の日本の金融政策」 岡田靖氏と浜田宏一教授の論文を参考に実質実効為替レートと交易条件を考えてみる。 注意すべきは,実質為替レートと交易条件に関する理解の混乱である.専門家を含む多くの人が,円高は交易条件の改善と同義であると考…

自称経済学者・池田信夫の何が悪いか

【追記&再掲】池田信夫氏は自称経済学者を名乗っているが、池田氏の博士号は(政策・メディア)でありなぜ経済学者を自称しているのか甚だ疑問である。 また、この表現を使用するメディア・マスコミも同罪であると考える。 池田氏がデフレの何が悪いのかと…